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テレビの影響力 フジテレビで海陽学園

☆今、昨日の本ブログのアクセス数をみて驚いた。このお盆休みの時期に当サイトの訪問者数は半減するはずが、倍以上になっていたからだ。

☆一体世の中、何が起きたのか?渋滞予想が肩すかしに終わり、帰宅時間が早まったから、ネット検索でもしたのか?なにせ21時以降にアクセス急上昇。ロングテールの現象だ。

☆どのページにアクセスしたのか調べてみると、次のページがダントツ。

伸びる学校[019] 海陽学園の変質(2009年4月28日)

☆今なぜ一年も前の記事がと思い、とにかく同学園のサイトを開いてみた。するとこんな記事が。

8月15日(日)のフジテレビ系列の番組「エチカの鏡」にて、海陽学園が取り上げられることとなりました。当日はグローバル化の中で今後の日本を支える子どもたちの将来を見据え、特徴的な教育をしている4つの学校を紹介する特集で、その学校の1つとして海陽学園が取り上げられます。

☆テレビで放映されたから、サイト検索をする人が増えて、その検索の流れに便乗して本サイトも開かれたということだけだった。

☆残念ながら、筆者は当番組を見ていない。しかし、一市民がテレビというメディアの影響力を直に感じるのは、Web時代なのであろう。

☆私もサイト検索をしてみたら、要するに円高到来による経済大低迷をいかにのりきるか、ガラパゴス化を脱して、いかに外に出るかという流れの番組のようだった。

☆ハーバード大学、ルートHのベネッセ、S&Sエデュケーション、横浜中華学院、そして海陽学園とくれば、グローバル高度人材育成とアジアに市場拡大する経産省や文科省の最近の流れを背景で丁寧に追った編集になっていたのではないかと予想する。

参照)テレビ紹介情報「 「エチカの鏡 ココロにキクTV」 2010年8月15日(日)放送内容」

☆ハーバード大学も、リーマンショック直後、財務状態に危機感が走ったという情報が流れたが、すでに回復したのだろうか。留学生スカウト活動はもともとだろうが、NHKでサンデル教授を盛り上げてもいる。ハーバードの戦略なのかNHKの企画なのか・・・。どちらもそんなことぐらいは考えるだろう。

☆何が重要か。それは国策もよいし、学問知も大いに研究する環境も大事だし、当然、それぞれの思惑の広報戦略もよいが、最も大事なことは、日本であれ、海外であれ子どもたち1人ひとりの才能を引き出し、彼らが自ら巧まずして社会に貢献できる活動ができるような環境を創ることである。すべての子どもに対して。

☆サンデル教授も、正義の授業で、目の前の学生とそして教授自身が、ハーバード大学という特別な環境を通して、いかにしたら社会貢献できるか考えようと諭すシーンは、なかなかおもしろかった。

☆ハーバードもよいし、東大でもよいし、大学に行かなくてもよい。たまたま自分の才能を信じ、追究して行ったら、たとえば、サンデル教授のもとで学ばねばならないという信念に行きついたとしよう。でもお金がない。ではそのお金をどうやって集めるのか。

☆起業家精神と同じはずである。就職してそう思い立ったとすれば、自分の資産を使えるし、まだ学生の場合どうだろう。またハーバード大学にいかなくても、日本の大学に行かなくても、原書でサンデル教授の本を読むことはできる。

☆問題はそういう環境を自分の判断で選択できる条件が日本にはないということだ。恵まれた環境に置かれた子どもだけが、得をするとよく言われてきたし、これからも言われ続けるだろう。

☆すべての子どもにチャンスが開かれている社会づくりをしない限り、自己防衛をしようというリバタリアニズムは、1つの価値意識である。非難することはできない。

☆すべての子どもに1人ひとりの才能を生かせる社会づくりとはいかにして可能か?それは少なくと、一定の能力競争主義社会ではない。東大よりハーバード大学に行こうよという発想には、そのような価値観がある。ルール・オブ・ローの世界では、その価値観を否定できない。

☆昨日は終戦の日。戦後65年の特集も他の番組では流されていた。65年たって、富国強兵・殖産興業路線を変更あるいは転換できたであろうか。近代の夢とその闇。その闇の部分についての本質的議論をする時代。そこから未来の夢の可能性が見えてくるはずなのだが、東大よりハーバード、グローバル高度人材の育成というトーンには、未来の夢ではなく、まだまだ近代の夢のカバー曲の響きを感じる。。。

☆海陽学園それ自体は、当初は、そういう近代の夢路線で設置されている可能性がある。しかし、ハードはそうでも、ソフトの中身は教育である。教育が近代の夢を未来の夢に選好変容させることは可能である。

☆価値の転換を果たすソフトパワーを生み出す教育が実践されていると期待したい。

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