« 感動の説明会 | トップページ | 21世紀型私学市場の模索[07] »

佼成学園女子の新たな動き

☆サンデー毎日(2010.9.19)には「学習塾オススメの中高一貫校」という記事が掲載されているが、佼成学園女子は、「入学時の偏差値に比べ、大学合格実績が高い」という指標と「入学後、生徒を伸ばしてくれる」という指標でランキング10位。また、「英語教育に力を入れている」という指標では、ランキング6位である。

☆私立中高一貫校は、受験市場と私学としての教育市場の両方に軸足をおいているから、学習塾オススメ指標というテクニカルな面で、評価されているということは重要である。しかし、2012年にかけて、世の中的には、経済や政治、そして教育が激変する予測が立てられ、受験市場も変化しない限り、やや衰退気味な雰囲気を払拭できないでいる状態でもある。

☆このような時代情況の中で、テクニカルな面のみならず、ファンダメンタルな面である教育の本当の中身の充実も進めていかなくてはならない。

☆そこで、江川教頭によると、佼成学園女子は、今年になって、学校全体で、同学園の教育の潜在力について話し合い、その内容を部長会で吸い上げ、整理をしてきたということのようだ。

☆その結果、佼成学園女子の生徒を育成する教育のプログラムは4ステージ制であることが明確になり、今まで暗黙知としてなされたことを、いったん形式知化して、表現することで、テクニカルな経営的側面とファンダメンタルな教育の質の部分の両方を内外で再共有できるようにしよういう動きが起こっているという。

☆定期テストや検定試験、行事など日々の教育の流れをミクロ教育とし、各部の六カ年一貫の教育活動が4ステージ制の大きな流れになっていることをマクロ教育とすると、今後は、ミクロとマクロの両方の教育ビジョンがダイナミックに佼成学園女子の教育を形作っていることが明快になるということのようである。

☆多くの学校の場合は、ミクロ教育という点の内容について詳細に表現されているが、点が線になり、線が面になっていくダイナミックな動きはみえにくい。

☆佼成学園女子はそこを見える化し、共有することによって、校訓「行学二道」の精神の実現をさらにパワフルにしようということだろう。

☆ともあれ、「4ステージ制で生徒育成像を完成させる六ヵ年一貫プログラム」として、暗黙知を形式知として表現し、その共有を促進し、佼成学園女子の教育の魅力と先進性を広く世の中に発信することができれば、入学志望者の期待、教師の教育活動への自信、在校生の教育への信頼、卒業生の進路への確信、同窓生の母校への想いが、強化されることは間違いない。はやく具体的なプランを見たいものである。

P.S.

このような、真摯でダイナミックな学校全体の議論と取り組みは、学校に強力な磁場を生み出すものである。その1つの証しが、9月25、26日、佼成女子の学園祭である「乙女祭」の集客力。来場者数は25日599名(昨年595名)、26日1072名(昨年739名)を数え、過去最高。今年のテーマは「VIVID COLORS OF KOSEI ~ 個性×佼成」。まさにミクロとマクロのダイアローグであったということではあるまいか。

|

« 感動の説明会 | トップページ | 21世紀型私学市場の模索[07] »

教育イノベーション」カテゴリの記事