« 2010年新司法試験結果発表 | トップページ | 21世紀型私学市場の模索 »

かえつ有明 感動の体験入学&説明会

☆本日11日、早朝から、かえつ有明で、体験入学&学校説明会が開催された。創意工夫が凝らされたプログラムで、フィナーレは熱く激しくそして優しい調べとパフォーマンスをマーチングバンドがかざった。

P9110595

☆感動のうちにイベントの幕は閉じたのだが、実に意味深い調べだった。曲目はチャップリン・メドレーである。なぜこの時期に?それはヨーロッパで大問題になっているロマ民族の排除の問題を憂いてのことだろうか。

☆創設者嘉悦孝先生は、ヨーロッパの世界市民的思想に学び、陽明学と融合し「怒るな働け」という日本独自の近代人の理想の姿をビジョンとした。チャップリンの数奇の運命は、彼自身ロマ出身だったかもしれない。

☆グローバル社会の浸透は、移民問題を避けては通れない。これは日本も例外でなくなってきている。これを突破するリーダーの言語能力とコミュニケーション能力。かえつ有明のビジョンは、この能力を身につける人材を輩出することでもある。

☆そんなことを、石川教頭のアクロバティックな作文入試の説明を聴いた後だからこそ、想像してしまったのかもしれない。それにしても、グローバル高度人材育成の学びこそが時代が求めているのだという大きな話を、作文入試問題の準備で思考力を養うことにダイレクトに結び付けるとは大胆というしかない。

☆しかし、その話に真剣に耳を傾けている保護者。受験生の親の水準が高いというよりほかないだろう。受験生の保護者は、すでにグローバリゼーションの中で生きているから、かえって石川教頭の教養に共鳴できるのだろう。どうやらアベレージ・パーソンではないと実感。

☆いずれにしても、作文入試は、かえつ有明の独自のプログラムである「サイエンス科」の顔になる入試である。かえつ有明のサイエンス科の教養の豊かさはしっかり伝わったと思う。

P9110531

☆その片方で、体験入学のイベントが同時進行していた。サッカー体験は大人気だが、作文入試の準備のためのサイエンス科の体験授業も参加者が集まった。かえつ有明は、放課後、学習支援センターが稼働しているが、そこでは東大生や早稲田大学、慶應大学のチューターもサポートしている。そのチューターとサイエンス科の座長である山田先生が、受験生とともにプログラムを行った。

P9110509

☆山田先生が、導入部分でサイエンスからどんなことをイメージするのかたずねると、受験生は、理科とか物理とか、実験とか反応。それに対し、山田先生は、そうだね。でも大事なことは、理科にも物理にも実験にも共通することをトレーニングするのが、「サイエンス科」なんだよと。つまり考えることとそのために活用する言葉を学ぶんだよと。

☆こうして問答=対話の授業が始まった。考えていくためのフォーマットと書くためのフォーマットがあるから、誰でもが考え、誰でもが書くことができる。最後は、自然と科学の関係について自分の気づいたことを200字で書く(=本番の入試でも出題される)ところまで到達する。

☆振り返りで、「自分がこんなに書くことができたなんて驚きました」と書いた生徒もいたほどである。

☆中学受験塾では、まだまだグローバリゼーションの環境に対する情報アンテナが低いから、大学受験の帰国生の論文力やTOEFLやIELTSのCritical Writingの手法が、中学受験の論述の手法と一致していることに気づいていないケースが多い。

☆中学受験の記述のトレーニングをたんなる受験テクニックで終わらせるのではなく、思考力のためのトレーニングの入門として位置づけるかえつ有明の考え方は、まさに入試問題は学校の顔であり、それゆえキャリアデザインの始まりでもあるのである。

☆それにしても、髙木先生が入試要項などについて説明する場面で、笑いがおこっていたのには驚いた。一般に、入試要項の話題で、笑いは起こりようがない。しかし、かえつ有明の入試制度が、高ストレスの受験の中にあって、ホッとするような制度を設けているという髙木先生の緊張をほぐすトークに笑いがおこっていたのである。

P9110563

☆感動と笑いと真摯さのあるイベントとなったのではないか。

|

« 2010年新司法試験結果発表 | トップページ | 21世紀型私学市場の模索 »

教育イノベーション」カテゴリの記事