土浦日大中等教育学校 最強のイノベーティブスクール [01]
☆土浦日本大学中等教育学校は、上野から特急「スーパーひたち」に乗って、土浦からスクールバスに乗れば、1時間弱。かつての江戸の下町から通学する生徒も出てきている。東京のこのエリアは、もともと開成中高に通う生徒の居住地でもある。
☆開成と言えば、高橋是清である。当時東大というのは、日本国家を構築する人材育成拠点であった。当時の国家構築という仕事は、現在のようにガラパゴス化官僚日本をつくる仕事とはま逆の偉業を成した逸材のなせる業であった。高橋是清自身、米国留学(というかアメリカで奴隷?のような仕事をしていたようだ)を通して、英語は堪能だったし、グローバルな世界観を持っていたのは言うまでもない。
☆新渡戸稲造然り、内村鑑三然りである。それゆえ、高橋是清初代校長は、理念として東大進学者を多数輩出し、日本を世界に通じる国家にしようという大望を抱き、その拠点に開成をしようとしたのである。
☆がしかし、彼ら3人は、全員私立学校の創設者であるが、私学の系譜としては2世代目である。第一世代は、福沢諭吉であり、新島襄であり、江原素六であり、近藤真琴であり、なんと言っても山田顕義である。
☆現在の私立学校の精神はたしかに多様ではある。しかし、その共通根は、戦後教育基本法成立の精神に立法として刻まれ、それゆえ日本独自の私立学校文化が浸透することになるのであるが、その共通根を創ったのは、私学の系譜の第一世代であると、教育基本法改正の折、私学人は議論し確認し合った。改正法は、その精神を積極的に認めるとともに、具体的条文化により、その精神の躍動感を制約するものであるというリスクもあるが、大事なことはその精神が排除されなかったことである。
☆かくして、私学の系譜の第一世代の共通根としての理念は連綿と今に続くわけであるが、その理念こそ世界の国々と平和な経済関係を保ち、精神的文化的成熟を国際的に浸透させるリーダーの育成である。
☆そしてこの理念を実際に実現し、今日の日本を世界の列強と対等に交渉できる現実を切り拓いた人物が、「五稜郭を落とした男」山田顕義である。吉田松陰の最年少の弟子であり、同じく松蔭の弟子であり、29歳で病死した高杉晋作の意志を継いだ士である。維新後岩倉具視使節団にも加わり、初代司法大臣にもなっている。そして言うまでもなく、日大の創設者である。
(若き山田顕義像:土浦日大中等教育学校校庭にて)
☆現在の日本政府や経産省、文科省は、躍起となって高等教育を改革することでグローバル人材を育成し、東アジア経済圏でGDP回復の起死回生を狙っているが、その人材の想定容量は、山田顕義に比べればはるかに見劣りするのは明白である。
☆このポストモダン時代にあって、政府が考案するグローバル人材といえども理念をもつことの意義は軽視されてしまうからである。
☆土浦日大中等教育学校は、サンデー毎日の「学習塾がオススメする学校」の「英語教育に力を入れている学校」でランキング入りしているが、受験市場が想像する英語教育をはるかに超えた破格の教育をやっているである。
☆なんといっても山田顕義がロールモデルなのだから。坂本竜馬や高杉晋作は、若くして自らを犠牲にしてまで建国の精神に身をささげたところだけを持って、メディアで人気になっているが、国づくりとは、まずは法づくりであり、それからそのプロセスである議会という議論づくりであり、すべてがうまく回るかチェックする機能を有した裁判という俗にいうPDCAづくりである。
☆そして、法づくりは、何よりもまず、「法の精神」という理念づくりなのである。しかし、その「法の精神」は、現在のように実定法主義になり、前面にでなくなると、一般には忘却される。しかし、昨今の中国との外交にみられるように、最終的には、法治国家としての法の支配がものを言う。国際法レベルでは、法の精神こそがまず共有されなければならないのである。
☆とするならば、その法の精神を有したグローバルな人材こそが未来を拓くのであり、山田顕義の精神を熱烈に説き続ける土浦日大中等教育学校こそ真のグローバル人材を育成する拠点である。かつて開成がそうだったように、第二の明治維新としての平成維新を支える人材は、おそらく土浦日大中等教育学校から輩出されるのであろう。そのことに直感的に気づいたかつての江戸の下町エリアの子弟が、同校にシフトしているのではないだろうか。
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