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開成の生田先生に学べ[03]

開成の生田先生に学べ[02]のつづき。

☆「地理と歴史の授業研究(5) 地理と歴史の≪授業を創る≫しごと練習帳」には、生田先生が、2001年から担当している駒大・社会科教育法の10年間の振り返りを行っている章がある。

☆生田先生の授業方法に対する基本的な考え方であると同時に、思考とは何か、言葉とは何かという根源的な自問自答がなされているページでもある。

☆「授業の基本的な考え方」というセクションで、2つ重要なことを指摘している。

(1)社会科教育法の授業は、他の大学の専門科目や一般教養科目とことなり、職業訓練としての性格が強く、自分のためだけでなく、相手(生徒)のためにも学ぶ科目である。

(2)この授業は、「授業を創る」ことを軸にして、教師がひとつの授業を計画・準備・展開・評価する手順に沿って、その場面ごとに必要となる考え方と技術を学習課題や学習活動の形にしたカリキュラムを編成している。

☆(1)は、かなり謙遜した言い方である。ハーバード大学のサンデル教授の対話形式の講義が話題となり、多くの大学関係者が影響を受け、講義のあり方を変えようという口だけの話はよく耳にする。しかし、生田先生の大学の授業は、サンデル教授の対話形式以上のプロセス・展開である。

☆だから、学生がこう語る。「200人近い学生がいる大教室で、私語もなく授業を受ける雰囲気は驚きだ」と。学びとは自分にとって社会で活動するサバイバル・スキルを修得すると同時に、サンデル教授ではないが、参加者が「共通善」を共有することでもある。生田先生自身、89年ベルリンの壁崩壊以降、世界同時に新しい学びの挑戦が行われている潮流の1つになっているのである。

☆(2)の「授業を創る」行為に際して、生田先生ご自身も関連文献を読み尽くしたそうだが、知識として参考にはなるが、実際に創る手がかりや根拠を探せなかったという。そこで、「教科教育学、教授学のほか、教育心理学やカリキュラム論、学習論、教師論などからも知見を集めて再構成する形でカリキュラムを編成し」たという。

☆しかも、そのカリキュラムは、学生自らが考えながら授業を創ることに向き合えるように、根本的な問いの形式で組み立てたという。学生は50以上の問いを考えながら授業を創るのである。

☆生田先生の語る授業を創るということは、授業の方法論であると同時に、考えるとはどうすることか、言葉(問いかけ)とはどう表現することなのか、そして生きるとは何をすることなのか、現実的かつ理念的に思考錯誤する拠点ではあるまいか。

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