土浦日大中等教育学校 最強のイノベーティブスクール [04]
土浦日大中等教育学校 最強のイノベーティブスクール [03]のつづき。
☆土浦日大中等教育学校に入学すると、まず講話教育を体験する。講話教育とは、中川校長による道徳の授業である。校長が自ら行うことに大変な意義がある。同校が大切にしている建学の精神が直接伝授される機会になっているからである。
☆中1段階で、世界から多くのことを吸い上げる根っこをつくるのだ。その根っこの機能は、倫理と論理、そして美学という人間力の三大要素である。
☆この3つの機能が6年間で相互に関係し合うように育っていくのであるから、グローバルな舞台で世界の人びとと世界の痛みを共有しながら、共に解決策を考えていけるのだ。
☆ところで、この3つの機能の理解を深め関係性を広げ実行力を磨き上げていくにはどうしたらよいのか。それは言語力である。道具としての言語というより、人間そのものとしての言語の力が必要である。
☆もし道具としての言語でよいのであれば、語学学校の機能で十分であるが、言葉を通して建学の精神であるグローバル性を培い次代に伝え続けて行くとすれば、それはもはや道具以上、いや人間存在そのものである言語の力を学ぶ必要があるのだ。
☆だから、中川校長の道徳の授業の知をゆさぶるテキストは英語なのである。英語の勉強をするのではなく、人間力のメッセージを英語のテキストから吸い上げるのである。
☆つまり道徳の授業では英語と日本語の両方が使われるのである。そして、校長によるプレゼンとそのプレゼン及び英文のメッセージから気づいたことを、生徒は書くのである。
☆ここには、建学の精神という土壌とそこに根をはる3つの人間力、そして、日本語と英語という同校の6ヵ年一貫のベースとなる言語による思考力を鍛える基礎が育成されるのである。
☆国語科が、よく読み、よく書き、よく考えるというカリキュラムを作っているが、その重要性や意義が、講話教育の中で了解できるのである。
☆また、京都での日本の文化、広島での近代の光と影を学び、イギリスでそれを世界の普遍的な問題に結び付けるためのクロスカリキュラムの理解のための言語力も育成されるのである。
☆講話教育という始まりから6年間の教育の展開はダイナミックである。
☆しかし、そのダイナミックな展開は、生徒1人ひとりが気づきを刻み込んでいるノートを読み、1人ひとりにコメントを書き、生徒1人ひとりの心に精神の根っこを植える校長の活力によって可能になっているのである。
☆校長室には、生徒のノートが積まれている。ノートを開けば、生徒1人ひとりの表情と様子が浮かぶ。校長と1人ひとりの生徒が直接結びつく瞬間である。コミュニケーションの本当の意味はここにある。
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