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開成の生田先生に学べ[06]

開成の生田先生に学べ[05]のつづき。

☆生田先生の「教材プリント」のコンセプトは、ヴィゴツキーの考えに近いし、夭折した彼が具体的に展開できなかった最近接領域の発問のシステムを実現しているように感じる。

☆重要なのは●よりも→であるという着想が最近接領域の理念を実現している。しかも、1つの→ではなく→の関係総体が授業であるという考え方は、ヴィゴツキーの実現できなかった授業システムであろう。下記の図は生田先生自身によるものである。

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☆●印は、「教科指導」や「学習指導」を示している。→印は、つぎの「教授―学習活動」への「発問の疑問文」を示している。

☆「教科指導」や「学習指導」の内容がどんなによくても、きづき、調べようとする意志、考える時間、まとめる活動が生まれてこなければ、内容を伝達したかもしれないが、伝わらないのである。

☆きづく→調べる→かんがえる→まとめるという授業の中で、生徒が能動的に思考を回転するようになることこそ「ゆさぶりのある授業」である。

☆そしてこのゆさぶりが腑に落ちる瞬間であり、その瞬間を生みだす発問が、あと一歩で次に進めるという学習者の思考のもどかしさである最近接領域を刺激するのである。このときをアハ体験とかピンとくるというのであろう。

☆この生徒によって違う最近接領域を見出し、発問していく「案内図」が「教材プリント」であるという。

☆そして、この教材プリントの考え方は、世界標準であるというのが、図で示唆されている。この授業の流れは、生徒の思考のプロセスでもあり、思考とは何か、思考をどうやって回転させるのかという方法論である。この方法論の蓄積が、グローバル高度人材を育成することになるはずである。

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