« 京北の教育改革本格化 | トップページ | 土浦日大中等教育学校 最強のイノベーティブスクール [02] »

広尾学園の人気の秘密

11月21日(日)、広尾学園の説明会が開催される。午前・午後・夕方と3回に分けて行うが、午前・午後はすでに満席。夕方もまもなく締め切るだろう。

☆この大人気は何故なのだろうか?これについては、本ブログでもいろいろ語ってきたように、たしかに多角的な独自のプログラムが多数開発されているからなのだが、やはり何といってもそれぞれの教科の先生方のレベルが高いということだろう。

☆レベルが高いとは、知識が豊富だとか学歴が高いということだけを意味しているのではない。多くの学校でおそらく使わないような言葉「弁証法」という哲学を身につけている先生方が多いからだ。

☆たいていの学校では「弁証法」のことをコミュニケーションという言葉で置き換えたまま、その背景にダイアレクティークという「対話=弁証法」の意味があることを忘却している。PDCAだとかクリティカルシンキングだとかプロジェクト・ベースド学習だとかは弁証法のマニュアルではあるが、そのことをあまり意識してはいないだろう。

☆しかし、鈴木寛副大臣が、ハーバーマスやアレントを持ち出して、躍起となっている「熟議」というディスカッションの背景には、欧米の伝統的な意味での「弁証法」が存在し、欧米では常にそれが批判的に検討され続けている。

☆経産省や文科省がグローバル高度人材が欲しいと願うならば、この欧米のコミュニケーション論の背景にある弁証法を批判的に検討しなくてはどうしようもない。

☆そのことを慧眼の持ち主である大橋学園長は把握し、哲学トレーニングを教師と共に行っているのである。

☆だから、たとえば、国語の教師は、国語の授業は、体験としての素朴な感動を与えることはできないが、言葉を通して体験以上の強烈なイメージを生みだす論理を学ぶことはできるのだと語るし、理科の教師は、予定調和的な問題解決ではなく、パラドックスを解き明かすインパクトある思考を引き出すのが科学の授業なのだと語る。

☆ダイアレクティークな思考という意味でレベルの高い教師が集まってきているのが広尾人気のエニグマの1つの解ではなかろうか。

|

« 京北の教育改革本格化 | トップページ | 土浦日大中等教育学校 最強のイノベーティブスクール [02] »

Innovative School」カテゴリの記事