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広尾学園が突出する

☆今先進的かつ哲学的私立学校や新しい強い受験市場の動きの中で、広尾学園の先進的で哲学的で教養主義的な教育を積み上げていることについて、急速に理解が深まっている。

☆広尾学園の急激な躍進は、その理由をめぐっていろいろな憶測が立ちがちだろうが、つまりそれだけ先入観ももたれやすいのであろうが、大橋学園長の話を聞くや、その先入観は砕け散るという。

☆そしてこれが広尾学園の急激な躍進の大きな理由だったのである。大橋学園長が、他の私立学校や受験市場に直接顔を出すことがなかったのは、新入生の保護者と徹底的に対話したからである。

☆この対話が、先入観を打ち砕き、一気呵成に信頼を得ることにつながった。しかし、その対話にかける時間が膨大で、とても外に顔を出す時間がなかったようだ。

☆今成熟した先進諸国は、熟慮による対話や議論によって合意形成をつくりあげようという動きになっている。その典型例がベルリンの壁崩壊後の世界の動きだったし、EUはその結実である。

☆もともとハーバーマスやハンナ・アーレントは、根源的共同体を熟議によって作り上げることを社会学的にあるいは哲学的に提唱してきた。その伝統が欧米にはしっかりある。

☆熟議とは熟慮を重ねたディスカッションであるが、このプロセスを経るとものの見方や世界観が変容し、あらたな合意形成を生み出すというコミュニケーション行為理論である。

☆広尾学園を選択する保護者は、大橋学園長との対話によって、今日本が置かれている状況とその危機について共鳴し、息子や娘の未来のために必要な学びは、従来の受験市場にはないことを痛感するようだ。

☆したがって、激変する受験市場の中で、頭角を現しているマーケットからすでに定員をはるかに超える保護者が注目しているということである。また、幾つかの心ある私学もすっかり共鳴共感し始めているということである。

☆今後広尾学園は、まったく新しい時代の局面で頭角をあらわすと予想される。現状の受験市場の衰退は、旧勢力の衰退であり、新しいマーケットとして生まれ変わる兆候でもある。広尾学園は新しい受験においてすでに評価されている私立中高一貫校である。もちろん、同学園自身は、受験市場ではない新しい市場創出の場にシフトしているだけなのだが、その全貌がいまだ見えないために、とにかく脱構築される受験市場で頭角をあらわす結果となっているのである。

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