かえつ有明体験授業 東大入試問題に迫る
☆11月27日(土)、かえつ有明で学校説明会が行われた。会場は、難進・総進受験の説明の会場、帰国生受験の説明の会場、サイエンス科の作文入試のための体験授業の会場と3つに分けられた。
☆かえつ有明の作文入試は、入試としてはユニークであるが、小論文の学びとしては、欧米のセオリーにしたがっているもので、グローバル人材を養おうとするならば、欠かせないプログラムである。
☆キーワードや論文の長さという意味では、大学の小論文と比べて違いが出るが、基本的な論理の展開やものの見方は、小6の生徒でも十分に考えることができる。欧米でも幼稚園からディスカッションを中心に学びの基礎として思考力と表現力を養うプログラムが実践されている。
☆日本の教育では、それが欠落している。大学入試の多くが、まだまだ暗記中心の問題であるから、目先の勉強が優先されて、社会に、いや世界に遭遇したときに役立つ骨太の思考力を養うプログラムはおろそかになりがちなのだ。
☆しかし、筑駒でも麻布でも開成でも、女子学院でも、個々の教師によっては、受験指導以上に、この骨太の思考力を養うプログラムが思考錯誤されている。2012年から2020年にかけて本格的に変わるグローバリゼーションの動きを見据えている高い学識者がいるといえる。
☆かえつ有明の場合は、それを「サイエンス科」というプログラムで、学校全体で取り組んでいるところが、先進性と先見性のある同校の面目躍如なのである。
☆「サイエンス科」のプログラムのエッセンスを体験授業で実施しているわけだが、毎回、3つの課題をチューターにサポートされながら考え、最終的には200字で自分の考えをまとめる。この課題を考えて行く順序は、実は思考のプロセスのロールモデルになっている。
☆だから、「体験した受験生は、最初はことばだけならべていたのに、最後には文章を書けていることに気づき、びっくりした」という感想を抱くことになる。
☆今回のテーマは「ロボットと人間」。最終問題である200字記述の課題を紹介しよう。
ロボットは、どんどん「進化」しており、色々な仕事を人間に代わって、しかも人間よりも上手に行ってくれるようになりました。しかし、ロボットの能力がどんなに向上しても、人間の仕事(職業)として残る可能性が高い仕事(職業)もありそうです。このような仕事(職業)を一つ挙げ、これを選んだ理由を200字以内で書いてください。
☆この問いは、東大の帰国生入試の問題にほぼ一致する(東大は字数制限がない)ではないか。確かに、いきなりこの問題を小学生が考えるのは難しいだろう、しかし、ロボット三原則をドラえもんの漫画に対照し、ズレテいるところやて適応されているところなどをまず考えて、取り組むと、小学校6年生でも、発想がわいてくるようだ。
☆要は、考える手がかりや足がかりをどうやって、脳内で組み立てるかだが、その方法論は指導できるし学ぶことができるとサイエンス科の主任の山田先生は見学していた保護者に解説。
☆参加した生徒のアンテナも高かった。「1つの物事をいろいろな視点で見ることができた。楽しかった。この学校で、このような授業をやりたい」という生徒の感想に、石川教頭は、多くの教科の教師がかかわって作ってきたサイエンス科プログラムの本質を見抜いていると目を細めていた。
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