筑駒・澤田先生の「作文ワークショップ」[01]
☆澤田先生の教師経験において、「作文添削」から「作文ワークショップ」への転換は、ファンダメンタルなところでは、政治経済や教育の転換の通奏低音に共鳴しているが、そんなことを思いめぐらしながら、上記写真の冊子を眺めてみたい。読み解くまでの知見は筆者にはないので、専門知を通して読み解くのは、教養人にお任せする。
☆筆者はあくまで一市民として、民主党の掲げる新しい公共というよりは、生活者としての目線で眺めてみたい。この立場を、政府官僚などによる政策知や学者などによる専門知、企業などによる経済知に対し、公共知としたい(本来市場は公共知の場なのあるが、先の三者に支配されているのが現状)。
☆さて、本冊子は、筑波大学附属駒場中・高等学校の「第36回教育研究会」で配布されたようだ。そして、「教員免許状更新講習を兼ねる」とあるから、かなりの影響力のあるものであると思われる。
☆かなりの影響力というのは、澤田先生を代表とする知が、公立学校、特に公立中高一貫校に浸透するということである。添削というと受験市場の目玉商品の一つであり、私立学校においては面倒見の良い学校の特長を表現する武器でもある。
☆しかし、その添削という方法論からワークショップの導入へとシフトする澤田先生の試みが浸透すれば、保護者や生徒のものの見方が変わり、受験市場や私立学校にとっての消費者のニーズに影響を与えかねない。
☆多くの人にとっては「作文添削」から「作文ワークショップ」への転換は大した飛躍ではないと思われるだろうし、両者の差異に気づく人もいないかもしれない。しかし、この微妙な差異に価値観を大転換させる化学反応が起こっているのである。
☆PISAにおいても今のところProficiencyを習熟度という難易度指標としか見ていないのがマスコミである。文科省が見えないところで推進している戦略を論じてほしいところだが、まだまだマスコミの編集のフィルターはそこは見えないか見ないふりをしている。
☆しかし、速いところ、そこを吸いあげるメディアの目がなければ、格差社会はますます広がるし、その格差に歯止めをかける公共知は養われなくなるし、≪私学の系譜≫の流れが細くなる危険性もある。
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