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筑駒・澤田先生の「作文ワークショップ」[02]

筑駒・澤田先生の「作文ワークショップ」[01]のつづき。

☆作文というと添削というキーワードがすぐに思い浮かぶ。それぐらい作文と添削の関係は当たり前のことになっている。しかし、添削している側は、その涙ぐましい労力のわりには、効果があがっているかどうかはわからない。

☆澤田先生も、「添削という指導方法が、本当に書く力をつけるのか」「受験小論文対策を軸に書くことを指導をすることが、書く力をつけるのに役立つのか」という疑問を持ち続けたそうだ。

☆そして、添削の問題を次のように整理されている。

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☆澤田先生は添削体験の中から問題点を見出しているわけだが、この見出す視点あるいは感じ方は、生徒の成長の度合いが想定内でないところから来るから、実に重要なのである。

☆これほどまで生徒の知の構造を思いめぐらす教師が存在していることこそが、すでに日本の教育の未来を明るくする大きな資源なのである。

☆先生は、生徒の思考の過程を見抜くための工夫をしなければならないと感じている。書けない生徒が孤立しないようにするためには、生徒同士の学び合いが必要だと確信されてもいる。

☆添削する際の基準の正当性・妥当性は何かを問い返している。添削は教師の負担が大きいために、そこは不問に付され、機械的に添削されるリスクがあることも指摘されている。そしてなにより、このような問題があるからこそ書く意欲が削がれるのだと。

☆添削とは生徒の意欲、教師の意欲を「削ぐ」行為であると。このようなことは、現場の教師は口が裂けても今までは公言できなかったのではないだろうか。しかし、澤田先生は明らかにできた。なぜなら、問題点を改善して、新しい作文教育を確立したからだ。それが「作文ワークショップ」である。

☆教師の負担が大きいとは、単純に辛いなどという事を言っているわけではない。「公私ともに多忙になる中で、効果が見込めない重労働は」結局は、「ワーク・ライフ・バランス」を崩してまうのだと。バランスの崩壊は、創意工夫を凝らすための時間を奪い取るわけだが、21世紀型社会における教育で、最も大切にしなければならないのは、創造的な時間の確保であるというのは、未来予想の第一人者ジャック・アタリの思想でもある。

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