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2つの選抜という評価 学校選択の最終思案のために

☆帰国生や推薦入試はすでに始まっている。つまり中学受験は静かにスタートを切っているわけである。受験といえば選抜。

☆この選抜システムからイメージするのは、「ハードルを越える」とか「壁を突破する」といったキーフレーズだろう。しかし、これは選抜の1つの考え方に過ぎない。

☆この選抜システムが成立しているのは、迎え入れようとしている組織やそのシステムが確固たるものとして在るからである。

☆したがって、国公立の中高一貫校や高校、大学の入試あるいは就職試験は、この組織に合わせて、どのハードルを越えれば、どの組織に入れるのかという話になる。このハードルの高さを表現する簡易で便利なスコアが偏差値である。

☆しかし、私立学校の場合、本来は建学の精神があり、それに基づいた組織であるから、これとは違った選抜という評価システムなのである。もちろん、受験という活動が、ペーパー試験が中心であるから、国公立の学校の選抜試験と表向きは変わらない。それゆえ、差異に気づかないというのが世間一般である。いやいや専門知も政策知もそんな差異に気づこうとしない。

☆ちょっと考えれば当たり前である。現状の組織やシステムを保守するのが専門知(知識人は本来違うのだが)と政策知の本領だからである。

☆ところが、現状の組織やシステムは結構揺らいでいる。しかし、専門知と政策知からは革命などは起きない。揺らぎをどう乗り越えるかということだけである。その方法が新鮮に見えるが、修復手法であることに変わりない。

☆修復とはハードルの設定を確固たるものに再現するということである。

☆だがしかし、私立学校の場合は、ハードルや壁とはみなさない。どちらかというと、システムと人間存在の間にある溝とかGAPととらえるのである。この溝は飛び越えなければならないだけではなく、橋渡すという協働関係を創りださねばならない。ハードルは自己責任で飛べばよい。壁は、自分が作っているのだろうという組織側の逃げ道があるが、溝やGAPは自分だけでできるものではない。人間関係の溝は、互いに生みだすのである。組織と個人の溝も互いに作りだすのである。互いに変容すれば溝は埋まりGAPには橋を架けることができる。

☆学力というものも理解の溝は互いにできるものである。理解の壁は自分が努力して越えねばならないが、理解の溝は互いに埋めて行くことができる。

☆だから、この溝を互いに埋めることができるかどうかがカギなのである。このカギを共有しようよというのが私立学校の選抜システムである。

☆私立学校の選抜という評価は、互いの溝を確認して、その溝をどのように埋めて行くのか分析する行為である。この溝を互いに埋めて行く言動の積み重ねが、建学の精神である共に生きるという力を養うことにつながっていくのである。

☆共に生きるには、ハードルジャンプ型評価システムでは、コーチング手法が力を発揮するが、ギャップブリッジ型評価システムでは対話手法が力を発揮する。共に生きると言っても質の違いがあるのである。

☆今後、国際社会で活躍するには、ハードルジャンプ型ではうまくいかないのではないかというのは、日々のニュースやネットで誰もがなんとなく感じてることである。ギャップブリッジ型こそ互いの理解を深め、コモングッドを現実的に構築していける。

☆したがって、私立学校に対する偏差値という押し付けは、未来を見えなくしている。中学受験に際して、自分の理解の溝を発見し、それを互いに埋めて、新しい足場を組んでいくスキルを持っている学校であるかどうかは、説明会における対話と試験問題そのものにヒントがある。

☆模擬試験とはどこか違う問題に触れ、それを考えることが楽しいと思ったなら、それは溝を感知し埋めるにはどうしたらよいか共に走ってくれる教師がいる可能性がある。そして、その部分は決して偏差値では測れない領域である。

☆逆に言えば、三大模試と同じような入試問題を出題する学校は、私立学校といえどもハードルジャンプ型の学校である可能性が高い。ただし、説明会において対話があるのならば、問題ない。

☆それにハードルジャンプ型の価値観に合う人もいるので、それはそれでよいのではある。筆者がお節介にもハードルジャンプ型とギャップブリッジ型の差異にこだわるのは、この差異に気づかず、国内で広く一般的な既存のハードルジャンプ型の選抜や評価に違和感を感じている人にエールを贈るためである。

☆そして、今では多くの評論家や学識者がテレビでも語るようになったが、世界が大きく変わる2012年がやって来る。さて、そのときはハードルジャンプ型発想でゆくのかギャップブリッジ型発想でゆくのか。

☆おそらく高ストレスを生み出すのはハードルジャンプ型発想。相互にケアとシェア(CS)のおもてなしが生まれるのがギャップブリッジ型発想。生産(Production)から発生(Origination)へということのような予感がするが。創造(Creative)とはその媒介であろう。条件操作から条件デザインの時代ということではあるまいか。そのためのクリエイティブクラスの出来(しゅったい/しゅつらい。まちがえると出来レース)。

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