« 2011首都圏中学入試動向[04] | トップページ | 2009OECD/PISA読解力日本は8位 »

2009OECD/PISA 読解力トップは韓国とフィンランド 

OECD東京によると、

15歳児を対象にしたOECDの最新PISA(生徒の学習到達度調査)によると、読解力のトップは韓国とフィンランドでした。最新のPISAでは生徒の電子情報の管理力が初めてテストされました。

PISAは、70以上の国・地域の50万人の生徒に対して行われた2時間のテストに基づいており、数学と科学のテストも行われました。本日発表されるのは、65の国・地域の調査結果です。

続いて好成績を収めたのは、香港(中国)、シンガポール、カナダ、ニュージーランド、日本でした。

☆まだ全体の発表はなされていないが、とりあえず、日本の読解リテラシーは7位以内ということか。

☆2000年が8位、2003年が14位、2006年が15位だから、全国学力テストで日本全体が学力に関心をもった甲斐はあったのかもしれない。しかし、

PISA調査に今回初めて参加した上海市は読解力でどの国よりも良い成績を収めました。上海の生徒は数学と科学でもトップでした。複雑な問題を解く高い数学的思考力を示した15歳児の比率は、OECD平均ではわずか3%でしたが、上海では25%以上に達しました。

☆というわけだから、国単位の順位はあまり意味がない。もし、東京都の私学だけでグルーピングすれば、上海市のような結果になるだろう。

☆大事なことは、OECD/PISAの仮説である学力構造と形成的評価の方法や、“for the first time tested students’ ability to manage digital information.”の結果、次のような新しいプログラムのデザイン方法を教育現場レベルで学ぶことである。

OECDは創立50周年記念の一環として2011年に、各国の国民が将来役立つ技能を構築、維持、改善するのに役立つ2つの新しいプログラムを開始します。国際成人力調査(PIAAC)の第一回調査結果とOECD技能戦略は2013年に発表されます。

☆また、 OECDは、男女間の成績差や学級規模、教員給与、資源配分についての学校の自治の程度などの影響についても調査しており、次のようなおもしろい結論が示されている。

①全ての国で読解力は女子が男子を上回っており、男女間の得点差は平均で学校教育1年分に相当する39点であった。男女間の得点差が2000年以降改善している国はひとつもなく、フランス、イスラエル、韓国、ポルトガル、スウェーデンでは拡大している。これは、読書を楽しみ、余暇に読書をする男子が減少していることを反映している。


②最優秀の学校制度は最も公平な学校制度(社会経済的背景と関係なく、生徒が好成績を収めている)であった。早い段階で能力に基づいて生徒を選抜する学校では社会経済的背景による成績差が極めて大きい。


③好成績を収めた学校制度は、学級規模を小さくすることよりも、教員給与を高くする方を優先する傾向がある。

④生徒の留年率が高い国は往々にして全体の成績が悪く、貧困家庭の生徒と富裕家庭の生徒間の成績差も大きい。生徒の留年率が最も高いのはベルギー、フランス、ルクセンブルグ、ポルトガル、スペインである。

⑤好成績を収めた学校制度は学校にカリキュラムの設計や評価方針の構築については認めているが、必ずしも入学競争は認めていない。

⑥規律が正しく、生徒と教師の関係も良好な学校ほど、生徒の読解力は高い。

⑦生徒の家庭環境を考慮に入れると、公立学校と私立学校の間に成績差はない。

⑧自治と効果的なアカウンタビリティを兼ね備えていることが最優秀の成績をもたらしているように思われる。

⑨趣味として読書すると回答した生徒の比率は、2000年の69%から2009年には64%へと低下した。 

☆クラスサイズより教員の給与を高くする方が効果が上がるというのは、すてきな見解だ。

|

« 2011首都圏中学入試動向[04] | トップページ | 2009OECD/PISA読解力日本は8位 »

教育イノベーション」カテゴリの記事