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富士見丘創立70周年と吉田晋理事長の藍綬褒章受章

今年、富士見丘学園は創立70周年を迎え、理事長吉田晋先生は藍綬褒章を受章された。その感謝の会には、各界の重鎮が大勢駆けつけ、富士見丘学園の教育を通して吉田理事長が日本の教育に重要な貢献を果たしたことが改めて確認された

☆当日配布された中で、何より興味深いのは周年記念のために編集された「5×2 Story 自調自学15年のあゆみ」である。

Fujimi52

☆1994年に「5×2」という独自の学習のプログラムを作ったというのは、同学園が、いかに時代の先を読むパースペクティブを持っているかということを示唆している。

☆89年にベルリンの壁が崩壊し、世界各国が新しい学びの考え方を競って開発し、それが95年のウィンドーズ95の登場以降のIT革命で、大きく開花することになる。PISAもその文脈の中で開発された。文科省の教育政策はこのPISAの結果をまって、やっと2007年以降に本格的に変更されることになるのだが、富士見丘はIT革命前夜にすでに着々と開発実施していたことになる。

☆このプログラムというかシステムの画期的な点は、学校での学びと家庭での学びの両方の相乗効果を生みだしたところにあるだろう。

☆月曜日から金曜日までの学校での学びと土日の家庭での学びを「5×2」と名付けているが、集団による相互協力の学びと自分ひとりで探究の時間に沈潜する学びと言い換えてもよいかもしれない。

☆上記写真の周年誌を読むと、自分の身近なところで関心をもった事象を、調べ、深め、新しい視点を発見し、レポートにまとめて行く過程が、たんに学びのプログラムとしての機能を果たしているのではなく、それが大学進路選択や職業選択にまで影響する機能を果たしているということがわかる。

☆知的な興味を広げ深め行く学習であると同時にキャリアデザインの場にもなっている。「コスモポリタンとしての教養」とか「日本の法律は正しいのか」というテーマを選んでいるところは、国際教育と忠恕の教育という同学園の理念に重なるところがある。

☆そして、国際関係の仕事で活躍したいといか弁護士になりたいとかいう夢を抱きながら探求していく自調自学による自律/自立は、本物の教育の成果である。

☆学びが生きることにつながる教育こそ時代がどんなに激しく変わっても生き抜くことができる力になるだろう。「5×2」のような学び―大事なことは小論文として編集する過程が必ずセットされているということ―は結果的に、大学進学実績も向上させることになるだろう。

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