武蔵野女子学院 留学プログラムで伸びる
☆今年度、武蔵野女子学院は、オーストラリアの留学プログラムに加え、新たにイギリスのオックスフォード・プログラムを実施した。
☆この短期留学プログラムに参加した生徒は、今年は全部で41名である。また、毎年海外から同学院に留学しにやってきてもいる。
☆1クラス分の人数が、留学体験をし、学内でそのマインドを伝播するのである。これは、武蔵野女子学院の全体レベルをアップさせるトリガーである。
☆その精神とは、ディスカッション能力である。留学体験者は、結果的に、みなこの能力を磨き上げてくる。それは体験記を読めば明かだし、他校でも同様の経験をしているだろうから、説明はいらないだろう。
☆写真のNewsletterは、学内においてはまず情報の確認のレベルを超えて、整理、そして比較の視点のトレーニングがされていることがわかる。
☆この段階は言葉の意味や量は、まだ外延(denotation)のレベルである。DEとあるように、見える化と言ったらわかりやすいかもしれない。暗黙知を形式知にするという意味で見える化。
☆OECD/PISAや認知科学の思考のレベルで言えば、6ステージか5ステージあるが、そのうち3ステージ目ぐらいのレベルである。
☆日本の大学入試は、このレベルで十分だし、学習指導要領もここまでしか学びのレベルはない。しかし、2012年以降、目の前でグローバリゼーションが起こる日本では、これ以上のレベルの思考力がないと太刀打ちできない。
☆レベル4以上は、ディスカッションやディベートのレベルである。グローバル人材として活躍するには、イベントとしてのディスカッションやディベートなどのコンクールに臨む姿勢ではなく、日常生活で当たり前のようにそのレベルのコミュニケーションができるようになっていなければならない。
☆武蔵野女子学院は、通常の教科学習では、denotationの知識を整理し比較し体系化する。しかし、留学プログラムでは、いったん見える化したdenotetionからconntation(内包)にジャンプアップする。レベルが4以上になるといってもよい。見える化したものを再び暗黙知化すると言い換えてもよい。
☆ビジネス研修などで、よく暗黙知を形式知にすることが強調されるが。それは、片方の側面しか見ていない。もう片方では、再び豊かな暗黙知に・・・。そして再び形式知にという循環が強調されねばならない。
☆形式知へのベクトルだけの人材は、循環できる人材と知の格差、富の格差、教養の格差が生まれる。これが≪官学の系譜≫が国民に行使してきた統治方法である。武蔵野女子学院のような≪私学の系譜≫に位置する学校は、リニアーな思考様式ではなく、循環する思考様式である。
☆国内リソースと海外リソースを循環させる学習プログラムを開発しているのである。それが2012年以降のグローバリゼーションの津波(今までは遠い向こうの話)を乗り切る知であり、今後、武蔵野女子学院が伸びる理由だと推察する。
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