« 首都圏中学入試2011始まる⑭ | トップページ | 首都圏中学入試2011始まる⑯ »

首都圏中学入試2011始まる⑮

首都圏中学入試2011始まる⑭のつづき。

☆24日は、渋谷教育学園幕張1次の発表があった。その結果を見て、東京の出願をしたり変更したりということがあっただろう。昨年最終出願数と比べればまだ100%に達していないが、同日対比では昨年を超え始めている学校があるので、個々にはグーっと動きがあったところもある。

☆しかし、東京エリアの総応募者数は、同日対比では、全体は94.3%。神奈川は91.0%。千葉・茨木は、89.2%。埼玉は110.1%。首都圏エリア全体の同日対比は96,5%である。

☆埼玉の共学校の一部が全体を牽引しているから、中学受験市場全体が盛り上がっているわけではない。

☆もちろん、応募者数増はあくまで盛り上がりというか勢いの目安で、大事なのは個々の学校の実質倍率で、3倍以上あることが、サバイバルの指標であるから、世の状況と学内の状況ではGAPがあるかもしれない。

☆勢いか実質か、それともどちらもか。受験市場としては勢い(量)だろう。私学市場としては実質(質)だろう。ここで両市場のカップリング戦略を両者で探り合わないと(話し合うことはできないし、市場の原理上やらないほうがよいのだが)、2012年以降は両市場が冷え込んでしまう。

☆そこを見据えて動いている学校が、都市大等々力(共学)である。東京エリアの共学校の中で勢いを感じるが、学内の教育改革の動きの速さといずれ明らかになると思うが学外との知のネットワークづくりの勢いがマッチしているのだろう。この状況をどう判断するかは、学校選択者の感性であり、勢いを生みだすとはどういうことなのかについては参考になるだろう。

☆神奈川の男子校でも武相が勢いを増してきた。同校はもともと質はよいので、あとはアピール。教師や生徒のコミニュケーションの質も高いが、保護者がまた実によい。

☆神奈川の共学は、横浜翠陵、山手学院、日大藤沢の勢いが増してきた。応募者増という観点からは、日大グループで勢いがよいのは、茨木の土浦日大中等教育学校であるが、他の日大も実質倍率でいけばかなり応募者を集めている。

☆日大グループは学祖山田顕義(五稜郭を落とした男であり、初代法務大臣。吉田松陰の最年少の弟子であり、近代軍事力は高杉晋作に、近代教育と近代法は、木戸孝允にあとは頼むと託された男で小ナポレオンと呼ばれた)のルネサンスを企画しているようである。

☆桜蔭、JGが出願を締め切ったが、両校は昨対比微減。武蔵も締め切ったが、横バイ。このレベルの学校が質だけ追っているのはもしかしたらマズイかもしれない。本来、己を語らず道を語らねばならないリーダー校であってもよいはずだからだ。

☆世界の教育を考え、日本の教育を考えるならば、現実を批判し、自らの質の中に閉じこもっていてもしかたがないだろうに。近代国家の礎の1つは、間違いなく教育である。1つの学校がよければそれでよいというのではないはずだ。

☆麻布や開成のように、世に影響を与える何かを模索して欲しいものである。もっとも、麻布や開成がそういうことを模索していたなんてと思う人が多いかもしれない。だとすれば、それはメディアの視点が偏っているということだろう。

☆民主主義の原点は言論の自由である。言論の偏向ではない・・・。

|

« 首都圏中学入試2011始まる⑭ | トップページ | 首都圏中学入試2011始まる⑯ »

中学入試」カテゴリの記事