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偏差値で学校選びをしない時代を

☆2012年から、慶應大学は大学入試センター試験のようなマルチョイ(選択肢型)テストを見捨て、さらにAO入試に力をいれていく。また、同じ年、岡山大学は国際バカロレア(IB)入試を実施する。

☆これらも2012年問題に対応する戦術であり、実は大きな戦略だ。偏差値的な発想のテストは使わない時代の予兆である。

☆偏差値はどの母集団とやっても、ベルカーブの中にあてはめられる。全員が偏差値75になることはできない。

☆ところがAO入試やIBテストは、ランキングの中のポジションを競うのではなく、自分との闘いである。いかに思考を深め、感性を研ぎ澄まし、他者を巻き込む技術を極めるのか。結局従来型の日本の入試問題は、甘えの構造の中にあるし、その構造を再生産してきたとも言える。考える作業を軽視してきたのだから。

☆それだけに、自らを極めるトレーニングは、生半可な日本の入試問題のようなものを学ぶより、よほど厳しいといえば厳しいだろう。ポジショニングを競うストレスと自分を極めるストレスとでは、質がまったく違うのである。

☆明日から、東京、神奈川でも中学入試が始まるが、ポジショニングを競う発想のカリキュラム重視の学校とIBのようによく読み、よく議論し、よく小論文を書くことに没頭できる(フロー体験)カリキュラムを形成している学校を、よくよく見極めたほうが、将来性がある。

☆公立中高一貫校と都立進学重点校は、いずれ東大のポジショニングを競う教育政策に巻き込まれるお恐れがあるような気もするが、本当のところはよくわからない。どのように見極めるか、それは子どもの感覚を見つめることに尽きる。

☆結局のところ受験生の身体は、自分の学校に合う響きと共振するものである。目を開いて、耳を澄まそう!楽しく学べる学校に出会えることを心から祈っている。

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