海陽学園 テレビの効果はあったか
☆2011年度の海陽学園の入試は始まっている。すでに特別給費生入試は、昨年12月19日に実施されている。同学園サイトによると、同月15日現在で309人の応募があったようだ。
☆何せ入学金から学費まで支援してもらえる制度だからということもあるのかもしれないが、この入試だけで、ここ数年の総応募者数に達しているのではないだろうか。
☆1月9日実施予定の入試Ⅰもすでに268名(昨年12月27日現在)が応募。ここ数年の応募状況は一変したといえるかもしれない。
☆昨年8月に「テレビの影響力 フジテレビで海陽学園」というコメントを載せたが、そのテレビの影響は応募者の願書提出というアクションに結び付いたということか。
☆テレビで注意(アテンション)をひき、視聴者が関心(インタレストし)を持ち、検索(サーチ)する。同時にブログやtwitterに書きこまれるから、テレビを見ていない人たちとも、情報が共有(シェア)され、願書を出す行動(アクション)者が増えるという、Webマーケティング理論のAISAS(物品だと検索したらすぐに購入しそのあと感想を共有し、購入者を増やすということになるが、入試は願書を出すまでにシェアし続ける。しかし、すでに心理的には予約をしているのと同じような状況になっているのだから、AISASの理屈は成り立っていると考えてもよい。Web内の情報共有は、予約者を増やすだけでなく、キャンセル率を抑えるためにも有効ということか。リアルな学校説明会は、かつてのようにそこで注意をひくというのではなく、実際に確認したりフィールドワーク的な性格あるいはファンが集う祝祭的な性格にシフトしているのかもしれない)が証明されたのかもしれない。
☆テレビで取り上げられるには、相当な新機軸があるか、莫大な広告費があるか、どちらかだろうから、どの学校でもできるということではない。たいていの学校は広告費はそんなにないから、新機軸を発信し、あとはネットで情報を共有するということか。
☆しかし、ネットの情報の質は様々だから、情報リテラシーや批判的思考が必要だということになるだろう。たしかに、サーチエンジンはSEOやSEMという広告システムによって操作されている面もあるが、テレビや雑誌全盛時代のように、情報がいつの間にか一色になっているということはないから、意外と役に立つ。広告手段も市場の原理が働くし、さらにWebの中でも情報の質は市場の原理によって自然選択される。
☆自然選択のポイントは、更新率の高さ、自前の情報などであろうか。この2点が満たされていないのに、検索してトップページに来るサイトは、SEOなどの見えざる広報対策をしている場合がある。
☆それにしても、特別給費生の応募人数は、昨年11月に10名から20名に変更された。どうせなら、応募者全員特別給費生にすればよいのではないか。
☆卓越した倫理性と知性、身体感性を厳しくチェックし、6年間で新しい公共的人材として育成する。学園の生徒はそれぞれの道を歩むが、未来の社会のために後輩の育成も行うという紳士協定を結ぶ。協定が自主的守られるかどうかは、同窓力を形成する学園の教育力にかかっている。
☆OBは就職したら、全員年間10万円以上の寄付(総額としては6年間の学費相当分は最低だす)をする。あるいは、学園を支援する株式会社をつくり、OBは全員株主になる。そんな学校法人でありながら会社立的発想も備えた構想が、今後必要になるのではないだろうか。一笑に付されるだろうが・・・。
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