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中学入試2011トピックs ⑦ メディアの論調

☆朝日新聞(2011.2.1)によると、

首都圏の中学入試は、不況の影響で受験者数が頭打ち。併願する校数も減った。「安全志向」から多くの難関校は志願者が減る一方、共学校は人気を集めているといい、トレンドに変化が見られる。

☆不況の影響で首都圏の中学入試の受験者数が頭打ちとあるが、それは併願校数が減ったからという計算だ。

☆しかし、実際には併願校数は減っていないはず。というのも5日の受験校の受験率は例年と変わらないと聞き及ぶからだ。たしかに応募者は減っている。しかし、受験率は変わらないということは、併願校数は減ってはいない。

☆とすると、首都圏の総応募者数を併願校数6で割ると、昨年より受験者数は減ることになる。実受験者数の総計が出ていない現状では、なんともいえないが、入試最前線の先生方の話からは、併願数は変わらないが、受験者数は減ったというのが実情に合うような気がする。

☆受験市場は、受験者数が多い方が良いから、頭打ちとか横バイとアピールしたい。私学市場も、もちろん市場を冷やしたくはないが、ことは経営上の問題に直結するだけに、事実を冷静に分析したい。そこで、受験市場と私学市場の認識にGAPが生まれるのだろう。

☆安全志向から多くの難関校は志願者が減る一方とあるが、安全志向は世の風潮で、中学入試の風潮ではあるまい。

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☆昨年に比較し桜蔭や女子学院が減ったからといって、すぐにそういう認識になるのは早合点というものだ。2000年から応募者の推移を追っていくと、今年だけ特別な動きではない。

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☆男子もまったく減少などという流れにはなっていない。むしろ、中学入試を受けようという行為自体チャレンジングな意志決定で、何において安全志向なのだろうか。

☆公立中高一貫校も、2009年のときと比べ総応募者数が横ばい。2010年から公立中高一貫校は新しく開設されているから、本来もっと増えてよいはず。

☆中学入試にチャレンジする人数が減ったという意味で、安全志向というのなら納得できる。国の教育政策が、経済不況を救済するという名目で、自律志向の学校選択の心理的エネルギーをコントロールしているからだろう。

☆税金を回収することに目が集中するように、結果的に子育て家庭をコントロールしている。見事な選挙対策であるということになるやもしれない。。。

☆共学校は人気を集めている?埼玉、千葉・茨木はほとんどが共学校だからそのような認識はそもそも論外。神奈川はたしかに共学校が人気があるが、一部の共学校で、共学校だから人気があるわけではないかもしれない。東京は、今年は男子校、女子校、共学校は応募者の昨対比では、拮抗している。

☆戦後、私学は文部省や教育委員会の所轄にならずに、知事の所轄になった。この歴史的意義は、タコツボ教育政策にならないように、外部の教育スタンスを日本国内につくったのである。教育の権力の分立という重要な意義があるのである。

☆≪私学の系譜≫を保守しなければならないのは、そういうことであろう。この批判的精神をなぜメディアが保守しようとしないのか。不可思議な話である。

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