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2012年は労働力人口も個人所得も減る経済状況下の中学入試?

☆少子高齢化というか労働力人口減少の状況が、GDPどころか個人所得減少を直撃している。

☆この状況を払拭するために、政府は、GDP競争で勝ち抜くグローバル人材をと叫ぶ。しかし、肝心の労働人口が減少しているのである。ハードパワーからソフトパワーへというのはすでにクリントン時代から叫ばれていた。

☆1998年・1999年の私学危機のとき、すでにそこを見通して「授業パワー」で私立学校をと、私学の先生方とセミナーや勉強会をやってきた。

☆OECD/PISAのリサーチもしてきた。21世紀型教育とは何かと。

☆それでも、2007年ころから、その動きは停滞した。個人所得は減り続けていたのに、私学を選択する層までは浸食されていなかったからだろう。しかし、2008年から様相が変わり始めてきた。98・99年から教育の質に力を入れてきたところとそうでないところの差がつき始めてきたのだ。

☆教育の質に力をいれられなかったところは、目先の生徒募集戦術にかける。しかし、2011年の中学入試にはそれは有効でなかった。

☆ソフトパワーの充実こそが必要であるということが証明された中学入試でもある。

☆しかし、その一方でソフトパワーをアピールできないところも同時にダメージを受けた。

☆2012年の中学入試に向けて、私学は教育の質の競争をどんどんしかけてくるだろう。それは日本の教育にとってはよいことだ。

☆しかし、これを公立の学校もやらねばならない。公立の学校は教師がやればできる余裕がほんとうはあるのだが・・・。組織作りとコミュニケーションのスタイルが私立とは違うがゆえに、柔軟ではないのがもったいない。

*)少子高齢化については、人口オーナス論を展開している小峰隆夫氏の「日経ビジネスon Line」の「このままでは日本人の所得レベルは下がってしまう」を参照

*)個人所得の減少の現実については、藻谷浩介氏の「デフレの正体」(角川書店)を参照。

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