2月26日 私学人高橋是清を思いだす日
☆昨日は、75年前の2月26日を思い起こす日。二・二六事件のあった日だ。今朝(27日)の朝日新聞の社説でも取り上げられていた。
「いくら軍艦ができても兵備が整っても、国民の経済力で維持し、万一の場合これを動かす力がなければ役に立たぬ。国防の程度は国民の財力に耐える程度のものでなければならない」
☆このコモンセンスは、時代を超えての普遍的なルールである。しかし、この普遍的ルールに唾した歴史は、結局今日も続く。
こだわったのが、膨らんだ国債発行額の削減方針だった。疲弊した農村救済などのため、財政出動を繰り返した高橋だったが、35年度予算では国債の発行額が前年度より減らされており、36年度も同じ方針で臨んだ。国民の窮状には財政出動をいとわない。だが、規律なき国債増発は金利の上昇や、民間から資金を奪う。時に柔軟に、時に厳しくが高橋流である。・・・・・・・・・・・しかし、軍事大国への道に立ちふさがる高橋は、軍部にとって邪魔者以外の何者でもなかった。高橋亡き後の予算編成は軍部の思い通りとなる。後継の財政当局者らは「公債は生産的である。特に軍事公債は生産的だ」と述べ、37年度予算は「未曽有の膨大予算」と朝日新聞が批判するほどの積極型。結局、総軍事費は36年度の3倍になった。
☆2月26日を迎える度に、メディアは高橋流を伝えることは意義がある。昨日はちょうどアイルランドでバブル政権が交代する選挙があった。たしかに、前途多難であるが、高橋流の復権である。
☆チュニジアからはじまっている北アフリカと中東での民主化革命。これもまた欧米や日本のバブル経済政策に対する高橋流の抵抗である。
☆一方日本の政権交代は何であったのか。アンチ高橋流か・・・。
☆ところで、バブルがはじけるたびに、2月26日がめぐるたびに、「奇跡の達磨」の話題になるが、高橋是清が開成の初代校長であり、私学人の気概を形成したことは触れられない。
☆国民の財力=教育力であるにもかかわらず。金融バブル膨張力で経済を運営するのか教育力で運営するのか、私学人高橋是清に聞くまでもないだろう。
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