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新しい動き②

新しい動き①のつづき。

☆今年の中学入試も終わり、受験生は新中1になる気構えで満ち、学校は卒業生を送る準備をしながら、新しい年度を迎えるビジョンとヴァージョンアップ戦略を早くも実施している。

☆今年の中学入試は大きな転機を迎えている。政府がGDP競争に頭を痛めて思いきった政策がうてないここ数年の間に、中学受験を考えているグループの中で、個人所得が減少して、私立中高一貫校に相当する中等教育の環境を効率よく組みたてられないかを考える層が多くなった可能性が大である。

☆学校選択は、どうしても経済合理主義ベースにならざるを得ない昨今の風潮が、大きな影響を与えた中学入試だったのではないだろうか。

☆そういう意味で、経済合理主義以上に幸せになれる理念共同体が存在することを、個々の私立中高一貫校で努力するだけではなく、私学一丸となって証明する時代がやってきた。今年は中学入試の転機の年である。

☆四谷大塚、日能研、SAPIXなど受験市場で行われる入試総括会に先駆けて、2月26日・27日と、「東急線・みなとみらい線で通える私立中高一貫校24校」が開催する「2012年度の合同説明会」は、私学市場が受験市場に先んじるという意味で大変重要な意義がある。昨年から行われているが、持続可能になったという意味では新しい動きを予想していたということであろう。

☆私学市場=教育の質の競争vs.受験市場=合格の量の競争のバランスが今後どう変わるかは見逃せない。

☆そして、慶應SFCとベネッセコーポレーションが企画し、文科省や藤沢市教育委員会まで後援する「新しい学びフェスタ」が、3月8日から12日まで開催される。50講座近い、様々な私立学校や慶應大学の新しい=21世紀型の学びが公開される。

☆12日は、文科省の副大臣鈴木寛氏やあの宮台真司氏も活躍するようだ。東京私立中高協会会長の近藤先生をはじめ、多くの私学人も集結し、今後の日本の教育について「熟議」するプログラムもある。この熟議には、中3~高3までの生徒が主体だという。

☆筑駒の斬新な作文授業なども、中学生が運営すると聞いた。広尾学園や東京都市大等々力、西武文理の講座もある。今後この「新しい学びフェスタ」については追跡してみるつもりである。

☆本ブログ「新しい動き①」で紹介した≪『奇跡の学校』を創る会≫のかえつ有明の石川教頭、共立女子大の渡辺校長、白梅学園清修の柴田副校長も熟議に参加し、これからの私学を会のメンバーと熟議するためにも参加したいとのことであった。

☆21世紀は知識基盤社会であるいわれているが、その資本の蓄積はGDPのための貨幣だけではなく、知の文化資本であることも忘れてはいけないということか。ソフトパワーの時代と言ってしまえばそれまでだが。

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