時代と呼応する私立学校
☆今年は、私立学校にとって、時代の痛みを共に強烈に感じる中学入試となった。オーストラリアの洪水、新燃岳の噴火、そして今ニュージーランドの地震。被災した方々の痛みは測りしれない。とにかく無事を心から祈る。
☆また、チュニジアから発した民主化運動。エジプトにリビアに中東に・・・、どこまで拡大するのだろう。
☆麻布の氷上校長はかつてこう語っていた。
学校とは、時代の波を強烈にかぶり、時には翻弄されながらも、その現実をひきうけ、他方で、別の位相に立つ視点を失わず、未来に向かって開かれた「小世界」であり続けねばならない。
☆たしかに、学校は時代の波から守られるシェルターの中にいるわけではない。オーストラリアやニュージーランドには多くの私立学校の生徒が留学している。それぞれの学校で無事を祈り、様々な支援の動きを開始しているだろう。
☆私たちは遠くの出来事を身近な出来事に置き換えることはなかなかできないが、日頃交流している当事者は、それができる。交流をしている私立学校の方々が、どんなに痛みを共にし、その現実をひきうけていることか。
☆同時にチュニジアやエジプトの民主化革命の広がりは、化石燃料の高騰を惹き起し、日本の経済にもただでさえ不調なのに、さらにダメージを与える。私立学校の応募にもそれは影響を与えないわけにはいかない。
☆しかし、近代化の矛盾をいかに解消するかを理念としている≪私学の系譜≫にある私立学校は、その革命の意義を感じないわけにはいかない。言論の自由を封鎖してきた独裁政権下の痛みとそれを打倒する自由のための闘争の意義を考えないわけにはいかない。
☆別の位相に立つ視点を見つけ、未来に向かって開かれた「小世界」であり続けることはいかにして可能か。時代の痛みと呼吸とシンクロしながら、そのことについて考えざるを得ない中学入試だったに違いない。
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