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27日読売新聞32ページはおもしろい

☆2月27日の読売新聞32ページは実に興味深い。八雲学園の理事長校長であり東京私立中学高等学校協会会長である近藤先生と聖光の校長で神奈川県私立中学高等学校協会理事長である工藤先生、そして市川の校長である小川先生の鼎談がメインであるが、紙面の50%はSAPIXの宣伝。また、読売新聞が主催する「中学・高校進学相談会よみうりGENKIフェスタ」の告知と国立教育政策研究所の工藤氏のコメント。

☆このたった1ページの紙面に、中学入試をとりまく市場の構造が凝縮し、反映しているわけである。

①私学市場の質を拡大し、教育改革の拠点づくりをしかける≪私学の系譜≫

②私学市場の中にあっても、私学の系譜を重視しない立場に立つ見識

③公立と私学の差異を批判的にあぶり出すのではなく公平性の立場に立つメディア

④私立中学・高校の合格実績をアピールする受験市場

⑤教育政策における公立学校の現状を分析せずに、形式的平等を唱える官学発想

☆この5つの立場が、さらに公共的利益のためにという理念で動いているのか、自己の利益を優先するビジョンで動いているかで、中学入試をとりまく市場の構造が決まって来るわけである。

☆公共的利益の物質化した姿は、メディアや官、学校(公立・私立含む)で、自己利益を優先する姿が物質化しているのは受験市場である。

☆しかし、公共的利益は、何を基準にその正当性と信頼性と妥当性は決定づけられているのかというと、それはメディアも官も学校も異なる。それぞれに公共的利益があるのである。そのことを批判的につねに議論をしかけているのは≪私学の系譜≫であり、それにメディアや官がきちんと対応しているかどうかは、国民が判断し議論しなければならないことだろう。

☆それゆえ、3月12日の「新しい学び」のための「熟議」は重要な意義があるのではないだろうか。

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