« 地震・津波・原発の被害が変えるモノ | トップページ | 本当に人との絆が生まれる学校の戦略 »

今こそ原発事故の情報を調べる学びを

☆テレビなどのマスメディアも、保安院など政府や東電の原発事故の報告が、わかりにくかったり、情報不足だったりという点を指摘し始めている。

☆しかし、どの番組も同じような内容になってしまうのは、いつものことだし、一日中テレビを見ているわけにもいかない。

☆どうしたら情報の不足や整合性のなさを解決したらよいのか?風評被害を生みださないことは重要であるが、情報の複眼思考停止状態、あるいは、周りの識者や知人がすでに方程式をつかって、チェックしているが、公開できない言論封殺状態は避けねばならない。

☆そのためには、広瀬隆氏のようなジャーナリストのホームページや武田邦彦教授のホームページを参考にすることもよいが、まずは自分でも調べてみることである。皮肉な話であるが、新学習指導要領で、人気のなくなった「総合学習」の「調べる→議論する→編集する→発信する」という学びが、今大いに役に立つはずである。

☆グローバル人材や市民にとっては、クリティカルシンキングは、まずは自分の思考の状態に対して行うのが優先なのである。

☆さて、原発事故の行方は様々な点で情報を収集しなければならないが、生活世界において、最も気になるのは、放射線量だろう。文科省は「環境放射能水準調査」を毎日1時間ごとに公表している。マイクロシーベルト毎時単位で公表されているので、このデータをどう読むかである。

☆放射線の健康影響について、次のような図が毎回示される。これはテレビでも活用されているが、この図の単位は毎時ではなく、年単位が中心である。

Monka

☆たとえば、昨日30日の東京の場合、だいたい0.105マイクロシーベルト毎時の数値になっているから、「タダチニ」健康に障害をあたえるものではなさそうである。上記の図をみても、まだまだだと感じる。しかし、かりに0.115マイクロシーベルト毎時に跳ね上がり続けたらどうなるだろう。たった0.01あがっただけだから大丈夫と理解するのだろうか。

☆単純に24時間×365日を0.115に掛け合わせると、1000マイクロシーベルト/年を超える。0.01という数値は、小さいのか大きいのかその基準はどう設定したらよいのか、専門家にまかせればよいという考え方もあるが、日常の生活世界で、天候、気温、湿度などをチェックするように、放射線関連のデータもチェックできるように調べておくことは、今後必要になるだろう。

「よくわかる原子力」(原子力教育を考える会)のホームページでは、文科省と同じような図であるが、年単位でないものが掲載されている。

Kangaerukai

☆この両図の違いは何か?考えていくと、テレビの発信している情報がいかに不足しているか、要するにどうすればよいのかという結論をめぐって情報をまとめているだけであることに気づくだろう。かの池上彰氏でさえも、専門家が少し難しい話をし始めたとたん、制止して、要するにこうなんですよねと媒介していたほどである。

☆わかりやすさが、自律情報生態系思考を停止させる瞬間である。やはり授業で、この思考を生かすことの方が有益であると確信した瞬間でもあった。

|

« 地震・津波・原発の被害が変えるモノ | トップページ | 本当に人との絆が生まれる学校の戦略 »

支援」カテゴリの記事