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私立学校と公立学校の違い 「座談会」で⑤

☆紹介した「神奈川県の公立中学校の生徒と保護者に関する調査報告書」から、本田教授は、次のような相関ランキングをデータ化している。「学力」重視の教育。つまり20世紀型教育を受けていると思っている中学生の学校生活における相関項目のランキングは、次のようになるという。

①日常生活満足度

②授業満足度

③文化祭・体育祭取り組み度

④学校生活満足度

⑤友人満足度

⑥部活動に満足

☆「生きる力」重視の教育、つまり21世紀型教育を受けていると思っている中学生の場合は、

①文化祭・体育祭取り組み度

②日常生活満足度

③授業満足度

④学校生活満足度

⑤友人満足度

⑥部活動に満足

☆この結果について、4校の私立学校の先生方は、友人とか部活動は私立学校の生活では相関ランキングが高くなると感じている。

☆また、男女別で見ると、公立学校では、21世紀型教育に属する男子は、20世紀型教育に属する男子よりどの項目も相関が高くなる。満足度が男子は21世紀型教育で高くなるのだろう。ところが、女子はその逆なのである。

☆これは公立学校の場合、共学だから出てくる結果ではないかと、私立女子校の先生方。

☆実は、これは別のデータで明らかになる。それは部活は多くの生徒が参加しているから、満足度が高くなるという結果にはならず、先輩と後輩の関係が仲が良い場合に、初めて満足度が高くなるのだ。

☆これは私立学校も同じ結果になるはず。そして、4校の私立学校の場合、友情と先輩後輩という絆は、何にも代えがたい青春時代の想い出になるのである。

☆このような公立学校と私立学校の違いは、建学の精神を共有するしないという価値観の違いに相当すると思われる。つまり、理念なきポストモダニズムにあっては、興味と関心は、自分であり、他者や社会にはないと言われている。動物化されたポストモダニズムとまで言われている。不可解でねじれているリバタリアニズム的保守主義なのだと思う。

☆しかし、私立学校は、man for othersという建学の精神を共有することが大前提であるから、絆づくりは極めて重要なのである。

☆それゆえ、21世紀型教育を当然と思っている私立学校は、学校での生活はどの項目も満足度が高くなるである。女子校であろうと男子校であろうと。

☆では、公立学校の女子は、なぜ20世紀型教育に属する方が満足度が高くなるのだろうか。それは公立学校においては、男子と女子の関係は、いまだに役割分担という20世紀型関係が当たり前となっているからである。21世紀型教育は、ある意味この関係を破壊し、自由・平等・友愛の関係をつくりだそうとするものであるが、公立学校にあって、まだまだ男女の関係は20世紀型であり、多くの女子中学生がその社会構造を受け入れてしまっているのである。

☆21世紀型教育の効用より、20世紀型男女関係の効用の方が重要なのであろう。

☆女性の社会進出は、他の先進諸国に比べ低く、相対的に封建的な意識が残っているのは否めないだろう。

☆私立学校は、このような関係から自由であろうとするのが理念なのである。グローバリゼーションの時代にあって、どちらが世界常識なのかは、ちょっと考えてみればわかるだろう。

☆そうそう、こんなデータもあった。公立学校において、男子に比べ女子は、友人継続傾向が低いのである。私立学校の場合、男女に関係なく、一生涯の友人を作ることは極めて重要である。それなのになぜ公立学校では?それは封建的男女関係にあって、女子が期待する絆はどういう傾向か考えれば自ずと回答が出るだろう。

☆公立学校では、思春期を乗り越えるプログラムがないために、偶然の出会いに任せてしまうのである。

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