2012年多摩エリアの私立中高一貫校入試盛り上がるか
☆多摩エリアは、私立中高一貫校の激戦区である。埼玉エリアとも接しているため、大学進学実績もきっちり出さねばならないし、21世紀型教育である探求型教育や芸術教育という文化資本も求められる。
☆早稲田、慶應、明治、立教、中央、法政、高校からだとICUの附属校が拮抗している。そこに穎明館や晃華、東京純心などの良質学校が存在している。またグローバリゼーションや脳科学に対応した新しい教育ベースの聖徳学園もある。人気が高まっている桜美林にはさらにパワフルな広報の先生が招かれてもいる。
☆PISA入試でテレビなどのメディアでも取り上げられている佼成学園女子や口頭試問のないB入試を行う改革を断行した桐朋女子もある。
☆共立第二は、もともと大学のキャンパスと同居していたが、大学が九段に都心回帰したために、大学のキャンパスや建築物をリニューアルして、贅沢な学習環境を整備した。
☆明法は、東大をはじめ大学進学実績もよいが、メディアで取り上げられている科学部のソーラー制作の応用技術が、今回の被災地でも活躍している。科学による社会貢献を目指しているのがわかる。
☆白梅学園は、6年前に中高一貫部を新設し、いよいよ2012年は、大学進学実績の真価が問われることになった、専任の校長が就任し、今まで以上に進学に、そしてメディアでさかんに取り上げられてきた電子ボードを活用した授業やイギリス―EU研修などの21世紀型教育の充実に尽力しているという。
☆そして西八王子には、新設中学の話がある。大学進学実績はすでによいし、中学新設準備を担った先生は、芸術は爆発だというフレーズを想起させるパワフルで愛情あふれる先生。他校ですでに実績を上げている教育と経営のプロだ。
☆公立中高一貫校も、南多摩、立川、三鷹、大泉などですでに開校している。
☆20世紀型の大学進学実績だけで競い合っても、どこもそれなりに成果をあげている。そうなってくると、特色ある教育と、なんといっても自己否定感を払しょくできる教師と生徒のコミュニケーションがポイントになってくる。
☆自由と創造と倫理が1つになっているグッドスクールはどこか?多摩エリアの私立中高一貫校では、もう一度量と質の統合を明快に打ち出したところに生徒は集まるだろう。公立学校と決定的な違いを明快に表現することは当然である。
☆わかりやすい表現とか、受験生の親には説明しても難しいことはわからないという標準的な表現や当たり障りない表現は、熱を感じない。そんな表現をしているとしたら、その学校は選ばない方がよいだろう。とにかくチャレンジしないで公立学校のような私立学校だとしたら、受験する意味がないというのがミニマムな教育水準であるのが、多摩エリアの私立学校の様相なのである。情熱こそ表現である。
☆もちろんその情熱はcom-passionでなければならない。独りよがりな情熱を振り回されても、共鳴も共感も呼ばないだろう。このcom-passionこそ官僚近代化路線の中で、日本が切り捨ててきた啓蒙思想である。しかし、サンデル教授がカントやロールズにみたように、このcom-passionを見直そうという動きが、なんと文科省の中で生まれているのだ。そして、多摩エリアの中にはこのcom-passionを建学者が大事にしていた私立学校もあるぐらいだ。もっともその学校の先生方はそんなことに気づいていないようであるが・・・。
☆公立中高一貫校と私立中高一貫校の選択、私立中高一貫校の中での選択。6年前に新設された学校の実績への期待とすでに実績がある新設中学の誕生、すでにある中高一貫校の多様な改革。多摩エリアは、グッドスクール選択の基準を見出すモデルエリアである。今後も注目していきたい。
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