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21世紀型教育 私立学校と公立学校の差異[了]

☆従来の学力に対して新しい能力を育てる方法として、探求型学習が久しく唱えられてきたが、探求という形だけでは、実際には従来型学力を楽しく学んで身につけるで終わる場合が多いのではないかと問い返しているわけである。

☆「ペーパーテストで測定」から「現実状況の中でのパフォーマンスを評価」へシフトといっても、パフォーマンスを評価するには、実はスコア化するとうことになる。そのためには、ペーパーテストの測定そのものの方法を変えておく必要があるのである。テスト測定学をきちんと授業や教育の中に織り込む必要があるということ。

☆そのためには、学力に対する構造的仮説が成立していなければならないが、公立学校にはこの構造的学力観が実践の中で生きていない。したがって、いくら探求型をやっても、構造が仮説としてできていないから、検証できない。

☆で、なぜ構造が決まらないか?理念がないからである。思想がないからである。私立学校が理念や建学の精神にこだわるのは、これがないと構造を仮説的に検証できないからである。これについては、丸山真男の「日本の思想」を公立学校がどのように乗り越えるか対決しなければならなかったはず。

☆「言われたことを素直にこなす順応性」から「自らの考えに基づいて行動できる能動性」へというのも何を言っているか本当はわらない。素直にならなければ、普遍的モノサシに耐えうる自分の考えなど確立できない。言いたい放題は言えるだろうけど、説得力があるかどうかが重要であり、虚心坦懐でなければならないわけである。なるほど、個人主義が横行し、自分の興味と関心以外に気配りができないリバタリアンが多くなっているのはそういう理由なのだろう。

☆「繰り返し、安定して行動できる力」から「周りの人を巻き込交渉力」へ・・・。チームプレイは重要であるが、お山の大将が周りの人を巻き込むとしたら、その状況を、繰り返し、安定して行動できる力が発揮されていると言うのではないか。これは同じ現象のことを別角度から言っているにすぎない。

☆かくして、20世紀型教育と21世紀型教育の違いは、表現上の違いで終わり、実際問題は変わらないという官僚表現だったということになるのではなあるまいか。

☆チームワークは重要であるが、巻き込む権力的リーダーではなく、道を語り己を語らない奉仕型リーダーであるのが私立学校の教育の成果である。国際社会で、コミュニケーションがとれるというのは、奉仕の感覚を共有協働できるかである。優勝劣敗的官学発想では、国際社会における戦争を回避し平和を構築することは、いつまでもたってもできないだろう。

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