21世紀型教育 私立学校と公立学校の差異[2]
☆従来の学力から新しい能力へシフトといっても何がシフトしたのだろうか。「教科書にある標準的な知識」から「教科書の枠を超えた多様な知識にアクセスする力」へとは何がシフトしとしたのか?
☆標準とは知識の質なのか量なのか?知識そのものの質ではなく、教科書に載っていない知識にアクセスする方法という知識へと学びが変わるということだろうが、これは新しい知識観が変わることを即意味しないだろう。
☆結局量が増えるということではないか。知識そのものの機能が変わるということではない。つまり、言語と記号の諸関係があるいは編成態が変わるということを意味していない。ここに私立学校の21世紀型教育との差異がある。
☆「教科ごとに分断された知識」から「現実問題に対処する総合的な知識とスキル」へとは何がシフトするのか?分断とは何か?総合とは何か?現実問題に対処するとはどこまでか?知識とスキルはどう違うのか?
☆知識の背景文脈の回復と知識を現実問題に適応するというのは似て非なるものである。パソコンの機能を知っていることとエンジニア的専門知識を活用できることとは違うのである。専門知識の活用は、背景文脈という広い領域の情報はむしろ危険だろう。
☆ある領域の専門を深めて、かつ1つの知識は、実はあらゆる領域にかかわって存在を形成しているという探究を広げていくには、初等中等教育の限られた時間ではできない。専門への道のビジョンを身につけかつ関係総体を考える思考力を鍛えることはできる。知識の現実問題への適応は、結局知識そのもの質の変化ではなく、知識を扱う場所が変わったという事でしかない。もちろん、物理的場所の変化は、それを捉える思考の枠を変える可能性はあるが、問題はその外から内へ、内から外へのプログラムが巧まれているかである。ただ、環境を変えただけでは、従来のように、わかる生徒はわかるけれどという学習状態はあまり変わらない。
☆ともあれ、このようなプログラムを意識して創意工夫しているかどうかが私立学校の21世紀型教育の特色である。
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