灘の自己評価
☆灘は、理事長の顔も校長の顔も見えるし、理事長が創設者のルーツである嘉納財閥の有力メンバーであることから、「精力善用 自他共栄」という理念が脈々と継承されていることは、外から見ていてもわかる。
☆しかし、私立学校ではまだまだ実施していない「自己評価のホームページでの公開」を行っている学校でもある。
☆もちろん全データではなく、その結論版ではあるが、灘のビジョンがわかるまとめ方がなされている。
☆灘が大事にし、それを自己証明していることは、
①中高一貫教育の意義についての確信
②学年担任団持ち上がり制の意義についての確信
③高入生混入の意義の確信
④中学生と高校生の交流の意義の確信
⑤生徒の自主性尊重の意義の確信
☆である。①は灘全体の教育の正当性を自己評価によって確認していることを表している。②は特に生徒の学力向上を促すシステムの妥当性を表している。③は灘教育のオープンな性格の信頼性を表現している。
☆また、④と⑤は、灘の求めているコミュニケーション能力の質の未来性を表している。これによって、思春期を乗り越えるシステムが、実は灘のコミュニケーション能力によって果たされていることを示唆している。
☆教師側のお膳立てではなく、上級生の下級生との交流の仕掛けとそのためのやわらかいリーダーシップに期待するあり方は、他校ではなかなか実践できない先輩後輩コミュニケーションなのである。たいていは教師側のお膳立てが行き届き過ぎているというのが現状。
☆学校の自己評価の公開は、いろいろなあり方があるが、ホームページで見ることができるということは、その姿勢そのものが評価される意志決定なのである。
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