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おもしろい授業のベースは何か

☆1942年に出版された本が翻訳された。「数学は世界を変える」(リリアン・R・リーバー著)がそれだ。PartⅠは、ニュートンまでの世界。ダイナミックな変化を捉える数学の話で、それだけでもおもしろいけれど、PartⅡの現代数学は、目からウロコ。さらにおもしろい。

☆300年前以上に数学は20世紀型教育の発想を生み出し、100年前に21世紀型教育の発想を生み出した。官学は確かな知識が欲しかったからニュートンまでの世界をカリキュラムにした。私学は当時すでに現代数学世界を見通していた。知識は不確かなのだ。確かなものは永遠に確かではない。鵜呑みにせずに自分で再構築しようという発想。

☆2+2は4であるは20世紀型。2+2は4ではないかもしれないが21世紀型教育の発想である。前者は≪官学の系譜≫で、後者は≪私学の系譜≫である。

☆この本を読めば、どちらの発想でもおもしろさを生みだすことができそうである。20世紀型教育をやっても、そこには子どもがいるのだ。その不自由な中で自由を生みだすおもしろさを学べる本である。以下に引用を載せよう。

結論に飛びつくな!

人間の知識は不確かなので、
変化に対して心構えをしておかなければならない。

それでも
なるべく混乱を起こさずに前進し
伝統を尊重しながらも
その奴隷になってはならない。

明快な思考と
注意深い観察の組み合わせが、
人間のもっとも「現実的」な武器だ。

数学者や科学者や芸術家のように
自分の想像力にもっと自由を持たせ
それと同時に
自分の自由の限界を
心に留めておかないといけない。

☆数学も科学も芸術も、抽象化され自らを自由な存在にする。

☆しかし、抽象化は同時に具体的ものを喚起する強烈に高感度な

☆関係性をもっていなければならない。

☆方程式であり詩であり音楽であり絵画であり言葉である。おもしろい授業は、この分野の違いをつなぐのに抽象化という構造化の方法を生徒に明け渡すのだ。

☆生徒たちはピカソの絵のように世界を変えていくのである。ウム、それはあるグループ層の人びとには恐怖ではあるか・・・。

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