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週刊ダイヤモンド「激変!中高一貫校・高校ランキング」(1)

☆昨年に引き続き、この時期に、週刊ダイヤモンドの特集企画「中高一貫校:高校ランキング」(2011/6/25)が出版された。「激変!」というのは、「昨年順位と比べると、“激変”ぶりがよくわかる。上位陣は大阪の天王寺(10位)を除いてベスト10を中高一貫校が独占した」ということを指している。

1 筑駒(国立)

2 灘(私立)

3 大阪星光学院(私立)

4 西大和学園(私立)

5 甲陽学院(私立)

6 洛星(私立)

7 白陵(私立)

8 東大寺学園(私立)

9 清風南海(私立)

10 天王寺(公立)

☆東大合格者№1の開成が14位になっている。これはたんなる合格者の数をランキングしたのではなく、ダイヤモンドの編集部が独自に計算した「合格力」の指標でだしたからである。

 自分の子どもが通う学校あるいは志望校や母校から、有名大学に何人の生徒が合格しているのかという点は興味深いが、志望校選定基準であれば、「卒業生1人当たりの大学合格力」こそ重要だ。

☆たしかに、大学合格者数と大学進学者数は違うから、後者の方がより学校選択者のニーズに即している。しかし、

それは、「入学した生徒の潜在力」×「学校の教育力」(本人の努力が最重要だが、それを引き出す力を含めての学校の教育力)で決まってくる。

☆というトーンは多少気になる。「教育力」こそ重要だはよいが、この編集の流れでは、すべての教育力が大学合格力につながっているという大前提があるからだ。

☆GDPよりも1人当たりのGDPを使うのと同じだと考えているのは経済誌である以上やむを得ないが、どのみちある経済の枠組みを前提にしている。特集のリード文にもこうある。

大学生の就職難が社会問題化する不安の時代。「中学・高校時代から、少しでもよい大学に行けるような、子どもの将来に役立つ教育を!」と考えている親は増えている。

☆そこで本誌はランキングしたということらしい。一面の真理ではあるが。。。

☆ランキングがどうのこうのではなく、合格力の精度をあげたところで、量的リサーチに変わりはなく、それをあたかも教育の質まで表現できるかのような錯覚を生みはしないか心配なだけである。もちろん杞憂だとは思う。

☆量的リサーチと質的リサーチはDNAのように関係しているから、両方は必要なのであるが、量的リサーチの中での差異をその量と質のDNAの関係になっていると錯覚し、結果、量的リサーチに偏った判断をするようになることだけは避けたい。

☆合格力の順位を「中高一貫校」が占めているから、その教育力はあるのだというのではなく、思春期という人間の存在問題を高校入試という教育制度で切断されない教育システムとしての教育力の重要性こそが大事なのであり、そこを考察することが質的リサーチ。

☆あくまで量的リサーチの結果に過ぎなく、質的リサーチは今後されなければならないことを忘れずに本誌を読むとよいと思う。

☆そうすると、「GMARCHを狙える『お得な学校』」というランキングに入っている学校で、大学合格力以上に教育の質の高い学校があることに気づく。たとえば、佼成学園女子、広尾学園、順天、淑徳巣鴨、藤嶺藤沢、桐朋女子、横須賀学院、八雲学園、聖学院、富士見丘などである。

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