明法の現実的かつ理想的教育[01]
☆設立から48年経っている明法中学・高等学校は、東村山にある私立男子中高一貫校。サンデー毎日(2009.9.6)では、学習塾が勧める「入学時の偏差値に比べ、大学合格実績が高い」学校という項目で4位にランキングしている。
☆しかし、ランキングのタイトルは誤解を招きやすい。入学時の生徒の偏差値がそれほど高くなくても、卒業時にたとえば大学合格実績などをみるとわかりやすいように、生徒が偏差値の高いメンバーが集まる大学の入試において成果をあげられる教育が実践されている学校ということだろう。
☆中学入試の時の偏差値は、学校の評価でもなんでもない。むしろ、このような学校であれば、すばらしい学校であるという評価を前面に出した方がよいだろう。入学時に高偏差値の集団を集めて、卒業時の時にそれなりの成果をあげられるのは、むしろ当然過ぎる。だから、まさかそのような学校を偏差値で評価しているわけではあるまい。そうはいっても、短絡的な思考が世の常である。
☆とにかく、今春、明法から国公立大学、早慶・理科大・GMARCHに合格した実績は、卒業生に対して43%であるから、たしかに生徒の学力が伸びるのは大いに期待できる。しかし、明法の教育は大学合格実績をあげることを最終目標にしているわけではない。
☆中学生が「エコ・プラネタリウム」を制作したり、高校生がソーラーバイクを作ったりしていることがメディアに取り上げられて話題になっているにように、3・11前から再生可能エネルギーの研究に没頭している。まさに時代を切り拓く創造力ある人材を育成している。
☆この創立以来の創造的精神をもって社会に貢献できる人材育成という理想的教育を、実現する教育活動を追求してきたし、これからも追求するのが明法である。
☆だから、信州大に進み、東大の大学院に進んだOBが、iPS細胞を研究し、マウス生体内にラットの膵臓を作製する実績をつくったりしている。また、物理チャレンジ2011というコンテストで、優秀賞を受賞した高3生も輩出しているのである。
☆しかしながら、一方で、このような卓越したケースは、たまたまその生徒の力によるものではないか、明法の教育の影響がどれくらいあるのか、その教育の質を証明できるのかという見方がされるのも否めない。
☆結局世の中は偏差値と大学合格実績しか学校選択の指標を持っていない。。。
☆ところが、今回の3・11で量より質であることを生活変化の中で実感する世の中になりつつあるのも確かである。質を追求するにはどうしたらよいのか、そういう視点が生まれてきたならば、明法の教育の質も証明されることだろう。生徒1人ひとりの力によって様々な成果が生まれているのは、どこの学校でもそうなのだが、その才能を開花させる教育条件や環境を創りだす教師がいなければ、恒常的に卓越した卒業生は輩出されないだろう。
☆とするならば、教師が創意工夫した教育プロダクト1つひとつの質を見ていけば、その質のレベルがわかるはずである。結論先取り的に言うと、明法の教育プロダクトの質は相当レベルが高い。この点について見ていきたい。(つづく)
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