土浦日大中等教育学校の教育の質は3の響き
☆昨日10日(日)、土浦日本大学中等教育学校の説明会が開催された。相変わらずホールは満席で、補助椅子を出す先生方のかいがいしい様子が印象的だったが、開催直前震度3の地震があった。3・11から4カ月経つが、参加者も、その意味を振り返り、同校の教育の意味の重要性を改めてかみしめる説明会のはじまりとなった。
☆というのも、3・11の経験は、大地震と大津波で、大地=GROUNDが崩壊し、それまで安全安心だと思ってきた神話まで吹き飛んだわけだから、実はこれまでの生活を支えてきたGROUND=根拠がなくなってしまったという根源的な体験だったのかもしれない。
☆根拠とは、誰が与えてくれるのか?神様や国家、他人・・・・・・。そうではなく、自分たち1人ひとりが見つけ共に確認し合いながら生きていくのだという現実に直面しているのが被災地の今である。
☆そして、土浦という地も、被災地ほどではないかもしれないが、東京に比べ、それは決して対岸の火事ではないという実感があったはずだ。それゆえに、いつも語っている中川校長の「根っこをつくる教育」の今回の講演は、よりいっそう参加者1人ひとりの心に響いたに違いない。
☆GROUND=根拠はいかにして形成できるのか?中川校長の話を聴けば、核家族化した家庭のみでできるわけではないし、すべての学校で出来るわけでもないと改めて考えさせられただろう。学校も私立であっても選ばねばならないのは、そういうわけだ。
☆根っこ=GROUND=根拠を形成する学校こそ良質教育を形づくっている。では、その良質教育とは何か?面倒見が良い学校、学内のコミュニケーションが密である学校、教育活動が有機的につながっている学校、ステークホルダーの相互信頼がある学校、口コミで生徒が集まって来る学校、21世紀型教育にチャレンジしている学校・・・・・・。その通りではあるが、これでは複数の学校の説明会に行っても違いがわかりにくい。
☆ところが、土浦日本大学中等教育学校の説明会は、そのようなPR表現では終わらない。教育活動の一貫性を具体的に説明する。それゆえ、会場の参加者と一体となって響き合う。
☆その一貫性とは何か?そのヒントが同校の教育の方程式にあった。それはパンフレットの表紙にある「6>3+3」である。中学校から中等教育学校へ価値転換をしている同校の教育の質は、無限の可能性があるという意味を示唆しているのであろう。そう思ったとたん、説明会は最初から最後まで、3のリズムで表現されていることに気づいた。
☆中川校長の講演では、3のリズムの教育活動の話が満載だった。
3つの基礎=倫理学×論理学×美学
3つの力=人間力×国際力×学力
3つのターム=Foundation Term×Academic Term×Bridging Term
3つの進路=海外大学への道×難関大学への道×日本大学への道
3つの授業展開=情報収集×編集×プレゼン
☆3つの授業展開のモデルは、中川校長自身が担当している道徳の授業の流れであるが、土浦日本大学中等教育学校のすべての教育活動のコアとなっている。
☆国語と英語も言語活動として3つのリズムを共有している。それは、
3つの言語活動=読む×書く×表現
☆とくに、表現の領域では、最終的にはディベートという高次の言語活動に上昇するのだが、生徒は国語でも英語でもチャレンジする。
☆数学は、
3つの工夫=中2までに中学数学が終わる特別教科書作成×リアルなサポート×サイバーなサポート
☆そして、同校の教育理念は、
3つのR=Respect for yourself×Respect for others×Respect for the environment
☆まだまだ3のリズムがあり、それが響き合っているわけであり、響きは集った人々の心を揺さぶるのである。さて、ほかにどのような3つのリズムが響いているのだろうか?それを発見するために、8月27日(土)のオープンスクールを共体験してみてはいかがだろうか。
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