共立女子の教育の重要な理由[02]
☆前回、共立女子の根っこが、原爆と原発事故の両方の背景に共通してある世界や人間の根源的問題に根ざしていることを述べたが、この根源的な問題が、学内で自覚され意識されるには、同校の教師による授業が、生徒のクリティカル・シンキングを養うプログラムとして創意工夫されていなければならない。
☆もちろん、果たしてそれがそうなっているのであるから驚愕なのだ。
☆今月1日、共立女子で、ニュートレジャー研究会が開催された。この英語のテキストが、クリティカルシンキングベースで編集され、大学受験学力は言うまでもなく、それを超えて世界で通じる英語で考え表現できる力を育成するスグレモノであることは、広く認知されている。
☆しかし、どんなに優れた教材も、その使い方によっては、さらに効果を発揮するわけであるのは、ほかの教材でも同様である。何せ石ころからでも学べるのだと言われるぐらいなのだから。
☆そこで、共立女子主催で、編集者の一人であるかえつ有明の山田教諭に編集の意図を講演してもらったり、分科会で具体的な活用法やお互いの苦労話の情報交換が活発に行われた。本テキストを活用している80名弱の教師が各地から集結。最先端の英語教育について夏休みに議論しに集結する意欲と真面目さに頭が下がるが、このようなイベントを開催するには、コアになるプレゼンがなければならない。
☆共立女子が主催ということは、当然共立女子のニュートレジャーのトータルな活用方法のプレゼンが行われなければならないということであり、プレゼンするためには、活用してきた歴史や実績がなければならない。
☆当日は、同校の英語科のリーダーである鮫島慶太教諭から発表があったが、やはり幅広くそして深い英語科の英語に対する探求の成果がプレゼンされた。
☆そのプレゼンを聞いて、気づいたことは、ニュートレジャーというテキストをどう活用するかというよりも、英語科の多様な取り組みにどのようにリンクさせているかという英語科のプログラムそのもののプレゼンであったということである。
☆ニュートレジャーを通して、英語科のトータルなプログラムや英語学の見識などが了解できたと言ってもよい。
☆また、鮫島教諭の発想には、各教員の創意工夫をシェアし、日本の子供たちにとって有益かつ強力な英語教育をともに作り上げていこうではないかということがある。まさに共立(ともだち)のスクールアイデンティティである「友愛」の精神が染みわたっているではないか。
☆シェアの方法は、議論とWebの活用である。すでに学内では10年以上も前から取り組まれていたが、今回の研究会は、その成果をある意味学外にもオープンにしていく試みでもあった。ニュートレジャーを活用している教師と議論したことは端的にそうだし、さらに今回Webを活用して情報交換し合うシステムを構築することになったというのもそうだろう。鮫島教諭のアドバイスのもと、ニュートレジャーを発行しているZ会が構築したということのようだ。
☆共立女子の教育の重要な理由は、歴史性にあるし、それが授業という現実の教育活動に浸透し、学内だけではなく学外に影響を与えていく未来性にもあるのである。
| 固定リンク
「Good School」カテゴリの記事
- かえつ有明 日常の学園生活こそ教育の質(2012.10.01)
- 海城学園 どこへシフトするのか?(2012.09.27)
- かえつ有明 新しいノーブレス・オブリージュへ(2012.09.26)
- 土浦日本大学中等教育学校 世界に開かれた学校(2012.09.26)
- 八雲学園 さらなる挑戦(2012.09.25)
最近のコメント