共立女子の教育の重要な理由[03]
☆共立女子で行われた「第2回 ニュートレジャー研究会」(2011.8.1)は、同校校長渡辺先生の挨拶から始まった。
☆その挨拶は、やはり共立女子のミッションを表現したものであった。
☆ニュートレジャーといえば、クリティカルシンキングだし、グローバリゼーションであるが、それを実感するできごと、その意義について気づくできごとが世界では起きていると。それは、昨年10月3日、ドイツが第一次世界大戦敗戦による巨額の賠償金を完済したということなどにあらわれているのではないかというのである。
☆日本の多くの人は、エッ、なんで今更と思うかもしれない。しかし、欧米ではとても大切な出来事。ここには2回にわたる世界大戦の傷跡があり、1989年ベルリンの壁崩壊を呼び覚ます出来事でもあるからである。
☆ここからグローバリゼーションが始まり、日本でも英語教育に力を入れる方向に転換した。それはたんに大学合格力をアップするための方向転換ではなく、世界の痛みをシェアし、平和への道を開くコミュニケーションは何か世界コミュニケーションを作り上げていこうという根源的な理由があったのだと。
☆もちろん、この世界コミュニケーションにはクリティカルシンキングが必要なのである。だから、ニュートレジャーが必要な理由は、89年に根ざしているのである。
☆巨額の賠償金返済は、世界恐慌や第二次世界大戦で中断し、東西ドイツが統一されたときから返済を開始しようという話だったから、89年ベルリンの壁崩壊後の東西ドイツ統一から再開したわけだ。クリティカルシンキングを発動すれば、そもそも第二次世界大戦のきっかけは、この巨額賠償金だったかもしれないではないかということになる。
☆もちろん、きっかけをヒットラーに与え、それを口実にさせたということであり、戦争以外に別の方法があったはずである。この別の方法はなんだったのか?ここでもクリティカルシンキングが役に立つ。
☆共立女子の校訓は「誠実」「勤勉」「友愛」であるが、この中の「友愛」は戦後付け加えられた。なぜ付け加えられたのか。もう説明するまでもないだろうが、「友愛革命」によって、唯一の被爆国である日本は、平和のために貢献しなければならないという強烈なミッションを抱いたからである。
☆そういえば、勤勉は自由が保障されていなければならない。誠実は平等が保障されていなければならない。なんと、自由、平等、友愛といえば、近代市民社会革命の理念ではないか。
☆2010年10月3日のドイツの賠償金返済は、1989年に立ち戻るが、それはまた1898年に、1789年に、1689年に歴史的なパースペクティブを広げさせる。いずれも記念すべき近代市民社会の革命が起きた年号である。
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