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学校説明会に顕れる授業の質

☆≪中高一貫校 「授業の質を、入学前に知る方法」 03≫で、学校説明会を通して授業の質を予想する観点について述べた。

☆箇条書きに改めると、次のようになる。

(1)入試問題の説明表現

(2)入試問題の内容

(3)学校説明会におけるトークの仕方

(4)学校説明会の流れ(展開・シークエンス)

(5)気づき&新たな発見の仕掛け

☆そして、結局は、どの項目でも、保護者と受験生という参加する側が、受け身になって聞いているだけでなく、自らも参加して考えているという実感を抱けることが肝要であると。

☆授業の本質が、ここにあるのはあまりにも自明であるかもしれないが、情報を転記したり、確認するだけで終わっている授業も多い。転記した知識、確認した知識を、あとは覚えるだけだという授業。

☆このような授業が従来型で、21世紀型授業ではないことは広く認知されていることだろう。この授業の質ポイントで、学校の説明会、あるいはそのダイジェストを話してくれる(というよりもっと詳しく話してくださるのだが)学校の先生のお話(インタビュー)から、考えてみたい。

☆もちろん、「学校説明会」「先生のインタビュー」「学校見学」「実態」「評判」というそれぞれのレベルは大いに違うものである。しかし、今のところ、そのレベルの差異を埋めるリサーチをしているシンクタンクは、皆無である。ニーズがないということもあるし、認識していないということもあるが、コストをかけるだけの余裕がないというのが本当のところかもしれない。

☆そういうわけだから、中学入試の市場は成熟していないのである。新聞社に期待したいところだが、塾の視点、偏差値の視点、大学進学実績の視点に依存しているので、なかなか難しそうだ。公立の学校に比べ、私立中学に入学する生徒は7%であるから、新聞社が自前で調査することはできないという事情もわからないわけではない。

☆学校説明会に足を運んでいるのは、マスメディアよりも、実は学校選択者である受験生の保護者である。したがって、この学校選択者が、自ら判断する基準や視点を持てるようになることが、私学市場の成熟を促進する一番の近道なのかもしれない。

☆そういう意味では、聖学院の平方先生、洗足学園の玉木先生、富士見丘の大島先生、世田谷学園の中村先生が、自身の学校をPRするだけではなく、私立中高一貫校の役割とその責任を、パネルディスカッションで、保護者に問いかけをしているコラボレーションは、価値ある行為である。

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