授業の質の視点
☆良質授業の学校を探すには、説明会に足を運ぶ以外にないのだが、参加しても、ほとんどの場合、授業の質の話は聞くことができない。麻布学園とかえつ有明は、授業の質に触れることができる説明をするが、それとて授業の本質に触れようとチャレンジしている段階で、授業の質を具体的に説明しているわけではない。
☆もっとも、そこにチャンレジしているということは、授業の質の重要性を自覚していることのあらわれであるから、他より先んじているとは言えよう。
☆さて、『中高一貫校 「授業の質を、入学前に知る方法」 02~§2 授業の質を視るポイント』では、授業の質の視点として3つ挙げておいた。それぞれの中身についてはそちらを参照してほしい。ここでは、この授業の質の3視点の別の使い方を紹介しよう。
① 知識への教員のアプローチ
② シークエンス(授業の物語的展開)とその中で教員と生徒が知識を取り扱うプロセス
③ 教師と生徒のモチベーション内燃ポイント
☆この知識に対する3つの視点、つまりアプローチ視点、シークエンス&プロセス視点、モチベーション視点は、授業以外のパフォーマンスを評価するのに使えるのである。
☆学校説明会も、学校そのものを知識として置き換えれば、授業である。AKB48のコンサートも、AKB48のプロデュースのデータベースを知識DBと置き換えれば、授業である。
☆いや逆にあらゆる人間の活動のプログラムの一環として、授業も含まれているので、上記の3視点を、あらゆるパフォーマンス評価の視点として活用してみることも可能かもしれない。
☆その場合、
①情報への主催側のアプローチ
②シークエンスとその中でステークホルダーが情報を取り扱うプロセス
③ステークホルダーのモチベーション内燃ポイント
☆というように置き換えるだけでよい。
☆そうすると、学校の教育活動の情報DBから、ただ事実を引き出してプレゼンしているのか。社会や世界の動きのDBと結びつけたり、子供たちの心理的なDBと結びつけてプレゼンしたりしているのかチェックできる。
☆端的に何をやっているのかマッチングするだけのプレゼンに感動する保護者もいるだろうし、その学校の教育活動が世界的視野に結びつくことに感動する保護者もいるだろう。
☆これは意外と重要で、ある学校の説明会では、Aという先生は、世界的視野に結びつくアプローチで話し、別の説明会ではBという先生が、今度はマッチングアプローチで話をした。ある年は、A先生が話す機会が多かった。その説明会ですっかりファンになり、入学したが、担当の先生はB先生だった。
☆当然、入学した本人や保護者の不平不満はたまる。昨今学校の法化現象は著しい。教育理念をめぐり訴訟が起こってしまう場合がある。
☆しかし、理念問題は、証明が難しい。授業基本法でも成立しない限り、授業の中で理念が浸透しているかどうかで裁判に持ち込むのは非常に難しいだろう。しかし、重要なことは、法化現象の一つとして認識されるようになってきている局面であるということだ。
☆シークエンス&プロセス視点は、説明会の流れや説明する教員と参加する保護者との間でどのようなコミュニケーション行為が行われているかという点をチェックすればよい。
☆一方通行型か、参加型かという見方でもまずはよいだろう。保護者は情報を確認しにきているだけだと、飽きてしまう。そしてそのことがその学校を積極的に選ばないという選択指向に結びついてしまいがちである。
☆何も大がかりな参加型ワークショップをやる必要はない。その場で一緒に考えてみる情報がセットされていればそれでも十分である。
☆モチベーション視点。これが最も重要であろう。主催者側のどの仕掛けに反応するのか。反応するというのは、モチベーションがアップしているということを示唆する。アンケート調査も重要であるが、それは事が終わってしまってからのことで、せっかく参加したメンバーにはすぐには役に立たない。気遣い観察者として主催者側も説明会に寄り添っていると、その場で反応に対応できる。もしこの気遣い観察者の教師がいたと感じたとしよう。それは授業でも同じことが行われているはずなのである。八雲学園が人気があるのはそういうことだろう。
| 固定リンク
「Good School」カテゴリの記事
- かえつ有明 日常の学園生活こそ教育の質(2012.10.01)
- 海城学園 どこへシフトするのか?(2012.09.27)
- かえつ有明 新しいノーブレス・オブリージュへ(2012.09.26)
- 土浦日本大学中等教育学校 世界に開かれた学校(2012.09.26)
- 八雲学園 さらなる挑戦(2012.09.25)
最近のコメント