聖学院 知られざる豊かな教育[02]
☆理念→「世界&時代」認識→21世紀型教育ビジョン→教科外教育活動→シラバス→授業→入試問題&入試要項というプログラムの流れになっており、「入試問題は学校の顔」であると受験業界で人口に膾炙されているフレーズ通りであった。
☆英語の授業システムは、たしかに海外大学へ進学できる幅広い英語力と教養を導くスタイルである。アイエルツのファンデーションで、小刻みにステップわけして、スコアを上げていくシステムに似ていた。
☆数学も、大学合格のための数学力養成というよりも、数学的ものの見方をメタ認知の手法で自ら思考錯誤するスタイル。東大生フェローが、こまめにリフレクションする機会をつくる講座もあるという。ともあれ、そのリフレクションこそが肝である。海外の大学に進むには、このものの見方がもっとも有効である。
☆海外大学?聖学院はそこまで意識しているのかと驚かれる方もいるかもしれないが、今月英国高等教育専門誌「Times Higher Education」が発表した世界大学ランキングで74位のクウィーンズランド大学(オーストラリア)に推薦枠まで持っているのである。実際に進学してもいる。
☆この世界ランキングで100位以内に入っている日本の大学は、東大と京大しかない。だから、21世紀型教育では、100位以内の海外大学に進学しようという生徒の意識を養いたいというわけである。海外大学は、タレントを引出し、鍛えるには、絶好の拠点であるからである。このような見方は、今では常識化しているだろう。
☆21世紀型教育というと、平方校務部長によると、テクニカルスキルばかりが目立つけれども、世界の私立中等教育レベルでは、むしろファンダメンタルスキルを養成することが求められていると。
☆リベラルアーツとか教養とか呼ばれてきた部分であるが、日本の場合、20世紀型であれ21世紀型であれ、リベラルアーツの部分は無視されてきた。だから、改革と言いながら、日本の公立教育の意識は何も変わらなかったのである。
☆そしてこのリベラルアーツや教養も、学んだ力だけではなく、学ぶ力、学ぼうとする力という学びのプロセス(このプロセスがなければ21世型ではない)の中で、新たに養われていくというのが21世紀型教育の啓蒙者平方先生の考え方であり、もちろん、その思いを一つにして聖学院の教師が一丸となって、教育活動の中に埋め込んでいるのである。
☆TOEFL-iBTで110点(120点満点:ハーバードやスタンフォードのビジネススクールは入学のために109点以上必要)のスコアを持っている生徒をはじめとする帰国生も多く入学してくるが、その理由は、日本の大学の合格実績ではない。海外の世界標準の学びの環境、学びに対する考え方があるからである。
☆大事なことはファンダメンタルスキルとそれが充満している環境ということであろう。
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