かえつ有明 静かな情熱 (1)
☆本日11日(火)、かえつ有明は塾・教育関係者対象学校説明会を開催。嘉悦克理事長・校長の語りから始まった。そこには静かな情熱が込められていた。
☆この「静かな情熱」はどこから来るのか?それは校長自身がいろいろな機会で話されているが、創設者嘉悦孝先生が、横井小楠の門下生で、当時からすでにグローバルな視点をもった近代日本建国の精神に基づいて学校を運営してきたからであり、校長自身がその継承者であるからである。
☆渋沢栄一翁や福沢諭吉は、今でも相変わらず人気であるが、それは栄一翁の「論語と算盤」という書にあるように、当時の日本のリーダーは、イギリスを中心にヨーロッパが近代をつくってきたその原動力であるアダム・スミスやサン・シモンなどの思想に影響を受けてきた。その思想は、道徳経済合一説というう実学志向である。
☆同時にアメリカの独立宣言文にある近代の象徴ともいうべき精神にも影響を受けたが、アメリカと言えばプラグマティズムである。
☆アダム・スミスを原書で読みこなしていた嘉悦孝先生は、言うまでもなく、渋沢栄一翁や福沢諭吉と同時代人であり、互いに思想的に影響し合っていただろう。江原素六(麻布の創設者)、内村鑑三、新渡戸稲造も同時代人である。そして言うまでもなく、ここに挙げた人々は、みな私学人であり、≪私学の系譜≫のルーツに位置する人々である。
☆国語科主任の武井先生が、入試問題について説明するシーンで、問題のイメージを共有するために、在校生が弁論大会で発表した文章の視点を説明したが、3・11以降、見失われた近代の理想を再び掘り起こすような着想について語った。
☆まさにこれは嘉悦孝先生の想いに通じているだろうし、≪私学の系譜≫が脈々と教育活動の中で息づいていることの証である。
☆3・11以降、これからの私たちの言動の判断の基準は、ポストモダニズム的なものでも、官僚近代的なものでも、トランスモダンのようなものでもなく、常にそれらに警鐘を鳴らし教育実践してきた、そしてこれからもしていく≪私学の系譜≫にあることに、そろそろ世の中は気づき始めてきているが、それを声高に謳うことなく、静かな情熱をもって語った嘉悦克校長であった。
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