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成城中の人気 ポテンシャルに期待かかる

☆本日8日、成城中は説明会を開催。参加者は300名強。素直で同じ歳の女子に比較するとどこか太刀打ちできないという感じの男子も保護者といっしょに参加していた。男子校の役割が確かにあるのは一目瞭然のような気がした。

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☆今春も実質倍率2.5倍だから、同校は男子校として人気があるといってよい。その理由は、交通の便や順調に伸びている大学合格実績であることは、今日の説明会を聞いていてもわかる。

☆しかし、本当は先生方が、自由闊達に創意工夫しているそのポテンシャルに、訪れた保護者や受験生は期待するからではないかと感じた。

☆表面上は、きわめて伝統的で特別なことはやっていないという表現の仕方だ。学校の理念の「哲夫成城」の哲夫(てっぷ)は、何も難しいことではなく、「まともな人間」のことであると言い切ってしまうあたりは、昔ながらの男子校だ。母親から見れば、そこがシャイでよいのかもしれない。

☆しかし、内生的には、かなり新しいものがある。その新しさに、先生方が気づいていないのか、謙遜しているのか、たぶん両方だろうが、いずれにしても明快に表現はしていない。

☆先取りをしませんと言っているが、中学で学ぶときに高校でどこまで広がるか膨らませるという。だから、急ぎはしないのだと。しかし、これは先取りという名の「促進教育」に対して、関連事項を深め広めていく「拡充教育」という手法で、立派に才能教育のメソッドではないか。

☆プロジェクトアドベンチャーもやっていて、チャレンジの中から成長の気づきが生まれるのですという表現は、海城学園と同じではないか。海城学園は、学内の教育改革の柱の一つにこのプログラムを導入している。

☆講習は、弱点補強というような普通の意味ではない。もっと自分の力を伸ばすという意味で、教わるのではなく、自分で勉強していく姿勢を大切にしているという表現は、開成と同じ考え方ではないか。

☆臨海学校では、高校生が中学生の遠泳をサポートするのだと。学内チューター制度が確立しているということではないか。

☆生徒と保護者のケアは、すべて面談や対話によってですという表現は、カウンセリングマインドで満ちているということではないか。

☆英語のテキストとして、Z会の「ニュートレジャー」を活用しているということは、クリティカルシンキングの手法がベースだから、米国の教育手法の一つである「タクソノミー」を活用しているということではないか。

☆他校では、大いに宣伝するところなのに、生活指導、教科指導、教科外指導という20世紀型教育の枠組みに当てはめて語るから、21世紀型教育が潜在的にすでにあることが伝わらない。

☆まして、成城から成城学園と日体大は生まれ、文武両道のうち、文がどちらかというと成城学園に、武は日体大に流れ、成城は両方のバランスにあると理解してほしいというところまでは、よかったが、どちらかといえば、日体大の雰囲気が成城に近いという表現は、21世紀型教育のイメージを想起しない。また、成城学園は大正デモクラシーの流れで生まれ分離したというのであれば、成城中の方は、21世紀型教育とは、さらに遠いイメージになる。

☆しかし、その歴史が教育現場で流れているかどうかは、必ずしも明らかではない。歴史の枠組みはそうかもしれないが、枠組みの中は21世紀型教育が熟していると考えることもできる。

☆2015年、創立130年の記念事業の一環として新校舎が完成するようだが、そのときに不易流行として21世紀型教育があふれ出るのかもしれない。もちろん、歴史の重みにその芽がつぶされることもあろう。

☆ただ、どちらにベクトルが進もうとも、現在の成城中の元気な保守主義的雰囲気は続くだろう。大きく飛躍する前の少しひ弱な男子が伸び伸び学園生活をおくれる学校であることに変わりはないと思う。

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