併願志向性の分析[01] 学校選択4タイプ分析
☆座標図をご覧いただければ、直感的にわかると思うが、この国際政治経済そして科学の大きな転換期にあって、未来主義を標榜している学校はたくさんあるが、その実態は20世紀型教育ベースで、相変わらず東大ピラミッド学歴社会から脱却できないエリートスクールと、実際に21世紀型教育にシフトし、グローバル企業に勤務している保護者が注目しているグッドスクールとがある。
☆一方、世界は変わるのだろうが、当面根本から変わらないだろうから、今は動かないほうが賢明であると判断し、教育も20世紀型教育で東大ピラミッドの枠組みの安定を享受している伝統的スクールと21世紀型教育の準備は進めておこうという戦略的スクールがある。
☆併願で迷っている場合、実は心の深層で、次のようなジレンマや不安があるだろう。
①グッドスクールを選択したいという立場に立っているのに、グッドスクールがそれほどないので、エリートスクールを併願に組み込むか戦略的スクールを組み込むかそのバランス。
②伝統的スクールを選択したいという立場に立っている場合は、それほど迷わないが、念のためエリートスクールを選択すべきかどうかという迷い。
③戦略的スクールを選択したい立場に立っている場合、本当はグッドスクールを選択したいが、そんな理想が果たして達成できるのかという不安。
④エリートスクールを選択したい立場に立っている場合は、逆にグッドスクールを選択したくないのに、栄光とか麻布とか海城とかJGとの併願をすると、21世紀型教育を受け入れることになる。それはいやだが、たしかに魅力的ではあるというジレンマ。入学決定の最終段階で悩むケースかもしれない。
☆だから、20世紀型か21世紀型かどちらを好むか決定したうえで、あとはリスク回避をするかリスクテイクをするかということだろう。
☆しかし、さらに迷うのは、保守主義がリスク回避になるのかということである。もしかしたら、未来主義のほうがリスク回避だったりする場合がある。たとえば、理事会が21世紀型教育や未来主義はリスクが高すぎるからと伝統的スクールに戻したとしよう。その場合本当にリスクは回避できるだろうか?ともあれそういう学校もあるのも否めない。
☆結局意思決定は、論理的にはなかなかできないのである。ただ、選択のプロセスを模擬試験の情報と政治経済の情報と合わせて考えていくプロセスを通して、意思決定のきっかけを見つけられる確率は高い。
*今回参考にする模擬試験の資料は、四谷大塚の合不合判定テスト配布資料である。サイトで公開されているものを使用する。それを学校選択4タイプ分析をしていく。分析の手法は、ヘルメノイティークという解釈学。資料のデータだけではなく、学校の≪私学の系譜≫の信頼性、学校説明会フィールドワーク、私学人インタビュー、シンクタンクのスタッフとの議論などの文脈をリンクさせながら解釈をしていくというスタイル。
客観的ではないが、インター主観ぐらいの妥当性はあるだろう。しかし、世の中まだまだ客観主義なので、参考にする程度のものに過ぎないことは言うまでもない。
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