Netty Land「かわら版」11月号に歴史的レポート!共立の意義
☆これを解決するには、軍事力でもないし、経済力でもない。ブータンの国王が持ち込んだ内面の幸せしかないのか。
☆まさか!と思われるだろうが、ブータンと同じように、戦後の混乱期に軍事力もお金もない日本が、西の窓を開き、東の窓を開いた国際政治を行ったマインドがあったのである。
☆その象徴は吉田茂と鳩山一郎である。吉田茂は、物質主義的な国際政治を展開するだけではなく、文化戦略も遂行した。それは戦後教育基本法に結晶したが、この教育刷新委員のメンバーは、新渡戸稲造と内村鑑三の弟子たちやヴォーリズと親交をもった人材たちであり、≪私学の系譜≫を継承する私学人たちである。
☆もう一人の象徴は鳩山一郎である。鳩山もまたフランスや米国は自由の革命を起こし、ロシアは平等の革命を起こした。軍事力とお金による革命であるが、その両方を持たない日本は「友愛革命」をおしすすめようと。
☆この思想は、EUの父であるクーデンホーフ・カレルギーの思想に共鳴して組み立てた物である。たんに思想を組み立てただけでなく、ソ連との交渉を実行し、西の窓をこじ開けた。その歴史的証人が、当時の第一秘書、現在の共立女子学園の石橋義夫理事長である。
☆そしてこの経緯が、Netty Land「かわら版」11月号のスペシャルインタビューに掲載されているのである。
☆重要なことは、「友愛」の精神を石橋理事長と渡辺校長は、政治の道具として使われたくないという強い意志があったために、今まで積極的に論じてこなかったのである。「かわら版」はある意味スクープである。
☆たしかに「友愛」は「共立=ともだち」という校名に刻印されているのである。そして「ともだち」という文集を編んでいる国語の授業にも浸透している。クーデンホーフ・カレレルギーが共立を訪れて以降、校訓に「友愛」という精神が加わったほどである。カレルギーの胸像は、ストラスブールのヨーロッパ評議会を訪れたときに見ることができるが、世界共同体や友愛革命を理想として世界を説得して回った歴史的重要人物である。
☆カレルギーは、日本に訪れたとき、唯一の被爆国であるからこそ友愛革命を任じなさいとエールを贈ったという。3・11以降の原発問題と同じ視点を、すでに戦後持っていたのである。
☆この「友愛革命」のミームは、共立女子に継承されているが、共立女子だけではなく、≪私学の系譜≫にも継承されていることを忘れてはならない。軍事力もお金もない日本が、東の窓と西の窓を開きに行った時のミームがそれだからだ。
☆石橋理事長は、吉田茂と鳩山一郎こそ、実際には「友愛」で結びついていたのだと語る。戦後と3・11以降。官僚近代が忘却してきた≪私学の系譜≫のマインド「友愛」を思い出す重要なエポックである。
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