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首都圏の私立のお受験閉幕へ

☆本日慶応幼稚舎の発表があった。毎年知人が何人か合格して報告してくれる。幼稚舎の場合、ペーパーテストはなく、絵を描くか、物づくりかのどちらかの創作活動と体育と行動観察ぐらいの試験のようだ。

☆アクティブでクリエイティブなタレントをベースにしているのだろう。しかし、ペーパーテストではなく、このようなテストを実施すると、ストレートに子どもが投影するものがある。それは家庭の文化資本である。

☆アートのセンスや活動態度、つまりものごしだが、子どもは素直に家庭の雰囲気を表現するものである。その家庭の雰囲気こそ、文化資本である。

☆もちろんお金もその一つであるが、資金力というより文化的な教養とか品のある質感のほうが大切。幼稚園、小学生の親は、なんだかんだといってまだまだ若い。資金力が十全であるはずはない。だから、複数世代にわたり蓄積されてきた文化資本が重要になるのだ。お金の面は、おじいちゃん、おばあちゃんの力を借りれるわけだし。

☆孫の学費の面倒を見るのは当然というおじいちゃんやおばあちゃんがいる家庭は、今やそう多くはない。お受験は同世代の1%内のお話なのだから、それが可能だし、幼稚舎もそこを信頼するわけだ。何せ小学校から大学までお付き合いできるハートとおかねの両方が必要なのだから。

☆しかし、それにもかかわらず、少子高齢化と長引く経済の低迷状況は、お受験市場にも少しずつダメージを与えている。

☆幼稚舎のみならず、聖心や東洋英和などもお受験の数は減少しているらしい。もっともそういう感じがしたという伝聞だから齟齬があるかもしれないが、勢いを感じないということらしい。

☆そうはいっても、当事者にとって、少子高齢化も経済不況も関係ない。家族総動員の必死の想いである。首都圏の私立のお受験はそろそろ終わり、国立のお受験を待つばかりとなったが、隣国でも国家的事業化、あるいはイベント化した大学受験が始まった。私たちの国の中高大の受験もこれから。子どもたちの熱い学力闘争の季節が巡ってきている。

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