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テストの花道 分析ギョッ!の重大性

☆先ほどNHK教育テレビをつけたら「テストの花道」が放映されていた。今日は、たとえば定期テストの自分の結果をどのように分析するかがトピック。その道具として、「分析ギョッ!」というマインドマップの魚バージョンを活用していた。NHKのサイトに入ると、次のようなワークシートが載っている。これが今回の道具。

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☆そして、頭には「マイナス面」、真ん中には「プラス面」、尾の方には「心の声」を書くということになっている。

☆いつものように花道部員が実際にやってみて、所さんなどがコメントを言って、アドバイスしていくわかりやすいし、たしかにためになる進路のための番組。

☆部員が、分析するとマイナス面だけが浮き彫りになりがち、それだとモチベーションが下がるから、プラス面も書くと、こんなに自分もやれるんだというのがわかるなんて語る。なかなかの模範解答。

☆そのこんなに以降を、さらに「心の声」として見える化しようというワークシート♪

☆ただ、ちょっと気になるのは、中身の問題。マイナス面で、現代文が苦手。英単語が覚えられない。それは集中していないからできていないとか、時間管理がうまくいっていないからというような理由を書くわけだが、プラス面はその逆。そして「心の声」で、今度時間をうまく使おうとか、それでも不安だとか書くことになる。

☆要するに、PDCAサイクルの導入の魚バージョンであるが、これは、課題や覚える知識が決まっているときの話で、20世紀型の学びである。

☆既存の知識をいかに定着させるか、そのためにはやるしかないわけだから、心を奮い立たせて実行しよう、集中しようという学び。心理主義、態度主義、そして能力主義。

☆この最後の能力主義は、コミュニケーション力とか思考力を大事にしようよという「〇〇力」唱え主義のこと。しかし、コミュニケーション力とは何か?思考力とは何か?そこは絶対に問い返さない。

☆とにかく既存の知識を覚えるという適応主義のための3つが、編集の背景にある。実はこのことが、今教育で問題なのである。しかも、この分析ギョッ!は幅広く応用が利くという。つまりキャリア教育にも使えるということをほのめかしているから、ますます相対化しておかねばならない。

参照書籍)「大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動」

沢田 健太著 (ソフトバンク新書)

☆NHKは広く大衆のための番組作りだから、大衆が近視眼的に幸せを感じてくれればそれでよいのかもしれないが・・・。

☆分析ギョッ!の骨に、自分の思考過程を分析できるように工夫すると、この番組は21世紀型の学びを見据えたすぐれたそれでいて大衆を市民に変える番組になると思うのだが。とりあえず、選択の余地があまりなく、受信料を支払っている身ゆえ、書いてみた。

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