グローバル人材はアートのある学校から
☆今年6月4日にイタリアで開催された第54回ヴェネチア・ビエンナーレは、11月27日に閉幕。見に行った知人から、ポルトガルのパビリオンがよかったよとメールがあった。
☆エッ!コンテンポラリーアートで、国別のパビリオンがあるなんて、それはアイロニーって聞いてみたところ、国家といえば、政治権力しか思い浮かばないようにマインドセットされているんだねオジサンはと返事があった。
☆国家がなきゃいけないけれど、それにとりこまれたり、右顧左眄したりしない表現の抵抗も必要でしょうと。だいたい国家なき表現の自由を言うこと自体矛盾!じゃんと。
☆近代国家と表現の自由は同根でしょうと。世界共和国みたいな発想も一方で大事だけれども、各国の言語=シンボルの世界の表象は差異があるから、そこはなくしたくないでしょう。
☆コンテンポラリーアートは、積分より微分で、一般にはツマンナイ差異を追究するのが潮流のようだ。
☆で、ふと、独立した漂泊の知識人であるサイードを思い出した。独立しながらも民族の差異を保守する知識人。漂泊の知識人。
☆これは本物のアートから生まれるなあとも。公立学校の芸術は、ステレオタイプのアートをまずは身につけさせるか、不要の長物。国家にとりこまれてほしいし、適応してほしいから、サイード的知識人としてのアーティストを育成することはない。
☆勝手に自分でなってくれというのはありだろう。
☆しかし、教育としてやはり知識人としてのグローバル人材を育成するにはアートは必要。そういう意味でアートに取り組むことができる私立中高一貫校は少ない。
☆東京女学館や日本女子大のアートは、嗜みのスキルである。
☆しかし、共立女子、聖学院、土浦日本大学中等教育学校のアートは、知識人たるグローバル人材の感性と知性を育成できる。
☆そういえば、世の中グローバル企業は、デザイン思考 を導入している。サイードのいう知識人の技にはまだ遠いが、ステロタイプはご法度である。共立女子や聖学院、土浦日本大学中等教育学校ほどアート教育をやっていなくても、このデザイン思考を育成している学校がグッドスクールである。
☆すべての子どもたちはそれぞれの破格の才能を持っている。摘み取らないようにしたいものだ。
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