首都圏中学入試2012[03]
☆昨日(30日)、ユーロは、2001年6月以来10年半ぶりに100円を割り込んだ。そしてその日、AKB48の「フライングゲット」が第53回日本レコード大賞(主催・日本作曲家協会)の大賞を受賞。
☆この事実をどう見るか。教育の公式見解では、両方をつなげることは顰蹙とみなされるだろうか。教師個々人は、いろいろおもしろいことを評論するだろうが、学校としてとなるとどうだろう。
☆ところが未来を創る学校=グッドスクール(GS)は、この話題は大いに盛り上がる。なぜなら、AKB48を単体ではみない。つまり、一般化して分析するからである。
☆≪AKB48/秋元康≫→≪ファンタジー/経済活動≫→≪ポストモダニズム/資本主義≫と議論は一般化していく。そこから≪民主党/資本主義≫、≪橋下市長/資本主義≫という話にも飛ぶ。もちろんジャカルタまで遠征してプロデュースしたJKT48の秋元商法は≪海外/資本主義≫と読み替える。
☆文科省や経産省のグローバル人材育成構想も≪グローバル/資本主義≫と読み解く。そして、それを逆手にとる戦略を立てる。公立学校とGSの違うところは、私学であるGSは経済活動を内包しているところである。
☆ファンタジーが成立するということは、経済活動がしっかりしているということだから、そこにはカントではないが、平和が維持される機能があるのである。したがって、GSがたてる戦略は、分子の部分だけ批判するのではなく、分母も見るのである。f(x)=≪分子/分母≫={平和×人権保障×民主主義}としてのf(x)はいかにして可能か?
☆これがGSの戦略である。どの値を代入するかは戦術。
☆つまりArtificial Transformation(AT)の見識を持っている。ところが、どの値をとっているかにばかり焦点があてられる議論が多いのが、大衆社会。大衆民主主義。値が映し出す解はファンタジーにすぎない。
☆ファンタジーを生み出すf(x)を組み立てなければ。ファンタジー機能が脆弱であれば、秋元氏のように値を更新するか、f(x)そのものをATするかのいずれかである。前者は戦術変更、後者は戦略変更。
☆秋元氏は、ポストモダニズム、視聴率主義、選挙率主義、GDP成長率主義、偏差値主義というf(x)を逆手に取り、値を変え続けている。橋下氏にしても同じであるし、政権交代当時の民主党はまさに秋元戦術そのものではなかったか。それがおかしくなったのは、民主党はf(x)を変更しようとはせずに、分母を変えようとしている。分母がおかしくなれば、分子であるファンタジーは崩れてしまう。
☆世界の金融資本主義市場が期待しているのは、政権ではなく、ポストモダニズムf(x)が機能しているかどうかである。AKB48や橋下市長の活動は、その健在ぶりを示している。
☆だがしかし、3.11以降、そのf(x)のままでよいのかという見識も少し際立っている。もちろん、復興支援活動は、従来のf(x)を使わざるを得ないから、戦後一瞬新しいf(x)の兆しが見えたにもかかわらず、結局水面下に追いやられたのと同じ道をたどるかもしれない。
☆ただ、戦後と大きく違うのは、従来のf(x)形成途上ではなく、そのエントロピーは増大してしまったという点である。かくしてf(x)は単純な分数方程式ではなく、微積によってATされなければならないということ。もちろんエントロピー増大は、フラクタル増大に転換し、エネルギーの循環生態系に変換しなければということだろう。比喩的には。。。
☆だから、GSは、大学進学実績も出てしまう(出すのではなくがポイント)のである。その兆しが、今の時期にある(ずいぶん枕が長かったが、2011年締めくくりの日であるから、今年を振り返りつつということで)。すでに筑波大学や慶応、上智のAO入試や公募推薦などで、合格者が出ている学校があるだろう。
☆それ自体は分子で分母が相当しっかりしているということなのである。AOとか公募推薦は、一芸入試と誤解されがちだが、筑波大や慶応大、上智大のは違う。中高6年間、あるいは高校3年間の学習ポートフォリオがしっかりしていなければならない。教えるだけの優秀な教師では、このポートフォリオを生成できない。学びの組織であることが大前提としてあるのである。つまりは、21世紀型教育の構築。
☆1998年の師走、中村中の小林理事長が慶応の文学部の公募推薦で合格した生徒の話を語ってくれた。そこには学びの組織の兆しがあると感じ入り、以降中村中を見守っていたが、やはり今では立派なエリート校である。今後さらに変貌を遂げるかもしれない。あのGSの鴎友学園女子や洗足学園のように。
☆さて、本ブログでも気づいた範囲で幾つかのGSの現時点での大学合格状況を書き留めているので、参考にしてほしい。
参照記事)
参照サイト)
| 固定リンク
「中学入試」カテゴリの記事
- 2019年中学入試の新フレーム(184) キャリアガイダンスは必読!聖光学院の取り組みをきっかけに考える。(2018.07.14)
- 2019年中学入試の新フレーム(179) 大きく動き出したグローバル2.0へのリフォーム(2018.07.12)
- 【首都圏模試保護者会レジュメ】2018年7月1日(了)学校個別情報(2018.06.30)
- 【首都圏模試保護者会レジュメ】2018年7月1日③併願情報(2018.06.30)
- 【首都圏模試保護者会レジュメ】2018年7月1日②「成績表」×「解答解説」=戦略×戦術(2018.06.30)
最近のコメント