NHKニュースで「適性検査型入試」「PISA型入試」
☆昨夕15日18時からのNHKニュースで、「適性検査型入試」「PISA型入試」について放映された。公立中高一貫校が人気で、私立中高一貫校には厳しい私学もあり、そういう私学は巻き返すために適性検査型入試を導入しているという構図。
☆6年前に創設された公立中高一貫校「白鴎」については、今年一期生から東大も出ており、進学に力をいれているところが、人気の理由であるということだった。そして他の公立中高一貫校の方向性も同じで、ますます人気が出ているという感覚。
☆それに比べ、東京女子学院は、非常に厳しく、来春巻き返すために「適性検査型入試」を開始するという切り口だった。校長インタビューでは、「適性検査型入試導入により、私立中高一貫校の教育について目を開いてもらえるきっかけになってほしい」という旨の語りが放映されていた。
☆一方、いちはやくPISA型入試を実施し、受験生減少に歯止めをかけたケースとして、佼成学園女子が取材されていた。江川教頭は「PISA型入試で入学してきた生徒の特長は、回転が速いし、考える能力が優れていて、学園生活の中でリーダー的存在になることを期待している」と応えていた。PISA型入試で入学してきた生徒もインタビューに「考える授業が楽しい」と答えていた。
☆ニュースという性格上、短い時間に収めなければならないから、大事なところ、つまり本質的なところは難しいのでカットしているのだろうと思いながら聞いていたが、佼成学園女子がPISA型入試を導入したのは、たんに入り口で考える能力のある生徒が欲しいということではないのである。
☆同学院の教育には、ニュージーランドなどをはじめ、海外で長期研修するコースがある。海外での学びは、既存の知識をたくさんもっているだけでは、通用しない。あらかじめ知識がないところからでも考える力がなければならない。
☆従来の入試では、この考える力が測れないということではない。そうではなくて、知識がなくても考える力のある生徒を受け入れることができなかったから、考える力だけを測るPISA型入試を作ったのである。
☆もちろん、そうはいっても基本的な知識は必要であるから、そこは従来の入試問題に比べ難しくはないが、きちんと押さえてきてほしいというメッセージを発信しているテストも設定している。
☆ニュースの性格上、外から見た(外延的)情報しか流せないが、本質的には、「知識方法論」が、公立中高一貫校と私立中高一貫校とでは大きく違うという切り口が必要だったかもしれない。
☆公立中高一貫校の問題は確かに考える問題ではあるが、佼成学園女子のPISA型入試とは質が違う。この差異をどうやって認識するか?「知識方法論」の切り口をもった編集者がいないのが、日本の教育コミュニケーションの閉塞状況を乗り越えられない本当の理由だろう。
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