首都圏中学入試2012[09]
☆「首都圏中学入試[07]・[08]」では、iTL(イノベーティブティーチャー)である私学人とそのそのステークホルダーを紹介してきたが、実際に若きiTLはどのような探究を行い実践を行っているのであろうか。すでに、元開成教諭の生田先生の研究と実践やかえつ有明の山田先生(ニュートレジャー開発者)の英語とサイエンス科の研究と実践については、本ブログでもたびたびご紹介してきたので、今回は聖学院の先生方の取り組みについてご紹介しよう。
☆聖学院の教師は、有志が集い、定期的にフォーラムを開催している。クラスマネジメントや進路指導、面接などの方法論の情報交換をしているのである。そして、もちろんそれを実践し、成果を上げ、検証し続けている。
☆教師が自分の中で効果的だと思っていること、タブーだと思っていることについて、忌憚なくディスカッションし、自らの殻を破り、エールを贈り合う場こそ教育のモチベーションがあがるものである。聖学院の説明会に参加した保護者が、ショージキ訪れて初めて破格であることがわかりましたと驚嘆する雰囲気があるのは、そこに理由があるだろう。学校雰囲気、学級雰囲気の重要性は、OECD/PISAでも結果報告されているぐらいである。
☆さて、今回はそのフォーラムの中で、英語科の高橋先生がプレゼンした「内発的動機付けに注目した授業 グループワークの考察」のレジュメをいただいたので、それについてコメントしたい。
☆高橋先生は海外大学の院で文学を研究していたので、学びの理論やその背景の思想について系統的にリサーチしている。そしてすでにその理論を実際の授業にいかし、同僚とコラボして、すでに千葉大の飛び級の合格者や慶応大学文学部の公募推薦で合格者を輩出するなど、実績も上げている。
☆フォーラムでは、そのような理論と実践の関係のプレゼンが重視され、ノウハウの交換だけにはなっていない。教師のための技術と教養の講座になっているようだ。
☆実際に高橋先生の授業を見学させていただいたり、インタビューをさせていただいたりしたが、レジュメに書いてある以上の授業デザインになっている。黒板、iPad、PC、そのほかの機器を巧みに活用し、徹底的に考えさせる英語の授業である。高2・高3の授業ということもあるのだが、パラグラフ・ライティングやクリティカルシンキングのシーンでは、現代思想の考え方―東浩紀氏の「動物化するポスモダン」や社会学の話題など―も矢継ぎ早にでてくる。
☆50分の授業であるが、120分の授業であるかのような密度なのである。このような授業がいかにして可能か。次回レジュメを見ていくことにしよう。
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